昨日はトランプ政権の税制改革の中身が「驚くべき」ものでなかったので、マーケットの先行きが不安なところであった。しかし市場の反応としては、むしろ余計なことをしなさそうだという側面で評価を得たようだ。
前日に米国株がそんなに落ちなかったこともあり、東京時間では日本株も下がらなかった。よってドル円も下がらなかった。売りこんでいく理由に乏しかったからである。ドル円は111円台の前半でステイしたまま、海外勢の反応を見ることとなった。
昼間に日銀の金利会合があったが注目はまったく集めずだった。そして欧州時間ではECBの金利会合もあったが、こちらも何の政策変更もなかった。ちょっとでもテイパリングに関する議論でもしていればいいものを、何も前進はなかった。ユーロドルはその前後で若干の揺れを演じたものの、ポジションを崩すほどの損切りを誘発するほどのものでもなかった。
アメリカの経済指標はいろいろとたくさん出たが、結果はマチマチだったのでマーケットは反応しなかった。私としては米国株が下落するのを狙っていたのだが、米国株は動きが鈍い。やはりトランプ政権からの何らかのメッセージを待っているという感じだった。
「NAFTAの脱退は考えていない」といったのは先走った報道の火消しという面もあったろうが、この話し自体も、まともなほうに回帰するコメントの部類だ。結局、米国株は小動きながらも歴史的な最高値の近くでステイしたままでニューヨーククローズを迎えることとなった。
今朝になってトランプ大統領が「北朝鮮とは大規模な紛争になる可能性」と指摘したが、市場の反応はほとんどなかった。もうトランプ大統領が何を吠えても、どうせまたやらないか先延ばしになるだけだろうという受け取り方が一般化してきている。
さて今晩はGDPが注目だ。第1四半期はかなり成長が減速しているのが予想されている。しかしこれだけ株価が上がってきて、増益が繰り返される企業決算なのに、そんなに個人消費でも落ち込んでいるのだろうか。
あまり整合性を感じられない今回のGDPなのであるが、それでも最近になって膠着感を強めてきているドル金利の動向にも影響を与えるきっかけにはなるのかもしれない。私としても結果が出てから、ドル金利の方向にドルのポジションを連動させてみたいのである。
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