■「お化けが出る!」と大騒ぎ! 冷静になってみると…
「お化けが出る!」と世の中が大騒ぎになったものの、いつまで経っても「お化け」が出てこないので、騒動からみんなが冷静に戻る、という現象が金融市場でも起きています。
そのことを如実に表しているデータが今、市場で話題になっています。
それは、先週末公表された4月25日(木)時点でのCBOT(シカゴ商品取引所)における米国10年債先物のポジション動向です。
北朝鮮問題やフランスの大統領選挙、G20(20カ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)などリスク要因がいくつも出てきていたことに対して、ヘッジファンドを中心とする投資家は、激しく米国債の先物を買い戻しました。
それまで、米国の金利が上昇していくとの観測から、大きく売り越しとなっていたポジションの買い戻しです。
前週4月18日(木)の4万1300枚のネットショートから、一気に21万4642枚のネットロングに急増。チャートなどを眺めてみても、短期間でのあまりに激しい動きであることが、視覚的にもよくわかります。

(出所:Bloomberg)
■なかなか出ないお化け。おののいた人が、巻き返しに奔走
ここまで激しくポジションが動いていたのは、驚きでした。みんな「お化けが出るかもしれない」と恐怖におののいてしまったことで、こういう動きになったのでしょう。
私自身も、それに一時的に賭けてしまいました。
しかし、お化けは、なかなか出ません。
中国もロシアも裏で動いているようなので、北朝鮮への武力攻撃のような最悪のシナリオは、当面、回避できる状況になってきています。
お化けが、当面、出ないということになると、それにおののいていた人は、また逆の行動に出ます。今、起きている巻き返しというのは、そういうことなのでしょう。
■市場を注視しながら、クロス円の買い方向で見る
もうかなり進んでしまったのですが、全体的な円安の動きは、まだ続く感じになってしまいました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
こうなってくると、どこまで円安が伸びるのかはわかりません。また、ここまで進んでしまったところで、新たに円売りをするのは、少々怖い感じがします。
市場の状況を注意深く見ながら、また、タイトストップを意識しつつではありますが、短期的には、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の買い方向で見ておきたいと思います。
■今週に限っては、ユーロ/円が化ける可能性大!
では、クロス円の中でどの通貨ペアを選ぶか? という点ですが、今週(5月1日~)に限っては、ユーロ/円が化ける可能性が高いかな、と思っています。
というのは、5月7日(日)にフランスの大統領選挙の決選投票がありますが、下馬評では、マクロン候補の楽勝と考えられています。
ただ、一部では米国の大統領選挙の時のように、「隠れルペン」がかなりいるのではないかという見方もあります。

真っ赤なスーツで演説する極右候補のルペン氏。5月7日(日)の仏大統領選決選投票では、中道系独立候補のマクロン氏がかなり優勢と見られているが、米大統領選の時のように「隠れルペン」がかなりいるのではないか?との見方も… (C)Anadolu Agency/Getty Images
私はそうは思っていないのですが、こうした見方がある以上、マクロン氏が勝利すれば、それなりにユーロ買いに反応する可能性があるかもしれないと考えるからです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
もちろん、市場の鉄則は「buy the rumor、sell the fact(噂で買って、事実で売る)」ということなので、逆の動きをしてしまう可能性も否定できないのですが…。どちらかと言えば、もう1回は、ご祝儀買いが起きてもおかしくないかと思っています。
いずれにしても、かなり遅れて列車に乗ることになるので、タイトストップを意識しながらやりたいと思います。
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