昨日はアメリカの金利会合だった。それまでは様子見姿勢が続くかと思われたが、夜の9時半発表の経済指標があまりにも悪かったので、マーケットはそれにいち早く反応することとなった。
GDPの元となる個人消費のありようを確かめる小売売上高が、まったくの伸びを見せなかった。またCPIは予想よりも低かったが、こちらのほうはPPIに比べて遅行指標なので影響は少ない。グローベックスでの米国株も下げに転じ、為替相場ではドル円が1円以上も急落。
私はFOMCが終わったらドルが下がると読んでいたので、経済指標でこんなに動くとは考えていなかった。むしろ小休止モードで構えていたので、このおいしいドルの下落にはついていけなかった。
109円台の前半まで突っ込んでも5月以来の安値圏がすぐそこに控えている。だから109円台の前半というのは売り場ではないのだ。多少なりとももんでしまう可能性もあるし、場合によってはサポートされて反発してしまう。
しかしニューヨーク勢のドル売りはやまず、108円台にも突っ込んできた。108円台というのは、今年の最安値レベルである。私もついドル円を売り込んでしまった。108.95である。
ドル円はそこからは目だって下がることはなかった。再び109円台に値を戻してきたので、私は速攻で買い戻すハメになってしまった。FOMCの結果が出るまで、まだ間があったからである。
そうした流れでリスク回避の状態でFOMCを迎えることとなった。結果は事前の予想通りで、0.25%の利上げである。こちらのほうは驚きはないのだが、強いて注目すべきポイントがあったとしたら、それは年内の保有資産の縮小に言及したことだろう。
これとても予想されていたことなのだが、具体的に数量と時間軸を示したことが目新しい。しかし今までは「議論もしなかった」と繰り返してきていたので、その状態でいきなり数量まで出てくるものかという、過去のコメントの整合性が今後は問われそうだ。
ともかくもFOMCとイエレン議長のトークで、ドルは買い戻され、さらなるリスクオフは回避された格好となった。ドル円は109円台の後半まで戻ってきた。つまり1円級のショートカバーである。
しかし上値は重いままだ。本日のアジア時間では再度の見直し売りも出ている。今晩は経済指標が数々出てくるが、一喜一憂して振り回されることなく、私としてはドルベアで構えたいと思っている。
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