昨日のアジア時間では、ドル円は111円台の前半。なかなか112円台にまで駆け上がれないでいる状態が続いている。もちろん今週は材料の少ない日ばかりなので、マーケットを揺さぶることは少ない。
しかし111円台の後半で何度も止められると、そこが自然とテクニカルポイントとしてワークしてしまう。つまり売りたいと思っている人は112円台まで我慢しないで、そのちょっと手前で売ってしまう行動に走るだろうということだ。
欧州時間でも為替相場は小動きで、ニューヨーク勢が参入してくるとドル円はやっと上がりはじめた。これはドル自身の材料で上がったというよりも、最近の値下がりが顕著になってきている原油価格の低迷のためであろう。
原油相場はもう一段安しても不思議ではないし、次のサポートは37ドル台までなさそうだ。37ドル台が心理的な節目になっている理由は、リーマンショックの後に147ドル台から下げた局面でのマックス押し目でもあるし、もっと古い話だと10ドルくらいでやっていた1990年代当時にイラクのクウェート侵攻で吹き上がったのも37ドル台だ。
ともかくも37ドル台までは止まる気配はなさそうだ。コモディティ価格の下落はドル高をもたらす。つまり反相関の関係にあるのだ。原油価格が43ドル台で、しかも下サイドが見えて仕方がないと、どうしてもドルの買い戻し圧力も高まろうというものだ。
しかしニューヨーク序盤でのドルの値上がりは限定的だった。ドル円もまた111.75あたりで止められてしまっている。私も逆張りにはなるが、少しだけ売ってみた。これは111.55ですぐに買い戻したのだが、原油が安いのでそれが導くリスクオフが気にかかるのも事実。
もっとドル円は深押ししてもよいはず。日付が変わる前に寝入りたかったのでポジションはクローズしたが、翌朝に用事がなければ、もっと勝負を続けていたかったという感じだった。
原油在庫が予想の減少幅より小さかったので需給がタイトになるかと思われたが、市場の反応は再度の下攻め。原油価格は42ドル割れの寸前まで落ち込んだ。米国株も緩い。それに比べるとドル円が下がっても111円台の前半までというのは、いかにも下げたりないように感じてしまう。
今晩も大きなイベントはないが、原油相場の動向とそれにともなう米国株のありようが要注意であろう。私は依然としてドル円がベア目である。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)