昨日は金利の世界で変化が見られた。まずは欧州序盤でのドラギ総裁の意見。金利会合でも大したことを言わないのに、通常のスピーチで金融政策の見解を述べることは珍しいことである。それでマーケットも過剰に反応したという側面もある。
「デフレ圧力がリフレに変わってきている」といったコメントが、そろそろ量的緩和の措置も限界かという観測をマーケットに与えた。ユーロ金利が短期も長期も上昇。それが為替相場ではユーロの全面高に及んだ。金利の上昇は企業コストを増大させる。
それで欧州株は大きくスランプに陥った。ユーロドルが上昇するにとどまらず、ユーロ円もユーロポンドもグングンと上がる。ニューヨーク市場でも債券相場の下落に見舞われて、米国株も下げて始まった。ドル金利が上昇という側面にスポットが当たって、ニューヨーク序盤ではドル高で推移。
私としては株安によるリスク回避でドル円が下がるほうに賭けるべきなのか、それともドル金利を見てのドル買いで進むべきかを、ちょっと悩んだ。悩んだ結果、ドル円で手を出すのはやめにして、素直にユーロ買いをしてみることにした。
ユーロに手を出すのは実に久しぶりだ。ユーロドルは1.13台にもタッチしているし、今年の最高値圏だ。今はまた1.12台に下がっているが、次に再び1.13台に乗せてきたらユーロ買い圧力は強いということで少し買ってみよう。
日付が変わってから、私は1.1305でユーロドルを買ってみた。すぐに1.1290で売りのストップ注文を出しておいた。そのまま寝てしまったが、ストップはつかなかった。夜中には米議会ではオバマケア修正案の採決が来週以降にずれ込むことになって、財政面からも不安が増大。
米国株は一段安していき、そのまま安値引けとなったようである。ユーロドルは高値引けということにはならなかったが、1.13台乗せのままニューヨーククローズを迎えている。 ドル円は112円台に乗せてきているが、リスクの観点からは不安要素が多い。
ユーロ金利の動向も不透明さが増しているし、アメリカの予算のスケジュールも8月末までに策定できるのかどうかわからなくなってきている。昨日の値動きではドル円やユーロ円が上伸しているので売りこんでいくことは困難だが、下がってきたところを思い切って売ってみてもいいのではないだろうか。ドル円の112円ちょうど割れとか、である。
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