先週の金曜日は日本が休みだったが、地政学的なリスクの盛り上がりもあって、マーケットは要ウオッチ態勢となった。木曜日にドル円は109円台の前半まで値を下げてきた。
そして金曜日の午前中、東京勢不在の休日にはあっさりと108円台に突入。でもだからといって、それでリスク回避の底打ち感は出てこない。あくまでも北朝鮮からの発表と、米政権からの姿勢の表明が待たれるところだ。
今年の最安値圏に到達してきたドル円だが、108円台ですらキープできずに割り込んできたならば、それは即、リスク性の高まりを意味することになる。テクニカル的にもたいへんわかりやすい。
しかし逆にいうと、ドル円がここで踏みとどまっている限りは、リスク回避もここまでだという見方から底値を拾う動きも強まるのである。それは強力なドルのショートカバーを巻き込むかもしれない可能性を意味しているのである。
だからドル円の108円台はなかなかに売りづらい。どうせ同じ売るならば107円台という大台を目にしてからでも遅くはないだろうという認識があるからだ。
結果として金曜日のセッションでは、リスクの下割れは回避された。しかし米国株は反発はしかけるものの、頭は完全に抑えられる格好となった。やはり週末を控えているために、ここで不必要なリスクは取れないと踏んでのことだ。
今週もイベントは少ない。それで必然的に北朝鮮問題がトピックの中心となる。中国やロシアが話し合いによる解決を模索しているようなので、それがどの程度のマーケットの不安心理の払しょくに貢献できるのか。またドル円の107円台は回避できるのか。そのあたりが見ものとなる。
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