昨日は地政学的なリスクが薄まった。週末にトランプ政権の国防長官や国務長官といった主要閣僚がそろって北朝鮮問題に対する平和的・外交的な解決を目指すと表明したからだ。
普通の政権ならば当たり前のことだが、これが材料視されるところにトランプ政権の不安定さや面白さがある。それでリスクの回避先として選好されていた金や米国債は値上がりが一服した。
アジア時間からドル円やユーロ円といったリスクに敏感とされる通貨ペアも、小じっかり。値動きこそ激しくはないものの、ドル円は一度も109円台を割り込むことがなかった。そして堅調な地合いをキープしたまま、欧州市場へシフト。欧州序盤からドル円は徐々に値を切上げてきた。
従来からの地政学的リスクの高まり場ではリスクテークというジンクスのもと、やはり海外市場でのリスク許容度の回復は顕著だった。ここ20年のどんなテロ攻撃や戦争開始でも、やはり株価はすぐにものに戻っていることを言ったものだ。
それを過信するわけではないが、マーケットの全員がそう思って同じ行動をとるだろうと考えると私としてもドル円をスモールでもいいから買っておきたくなる。それで少しドル円を買っては、持ち上がったところで利食い売り。
結局のところ、ドル円はそれほども延びなかった。海外市場では、110円台には乗せ切れなかったのだ。東京勢も加わる日本に戻ってきた本日になり、東京市場の午前中にはドル円は110円台に乗せてキープしている。
8月は夏だから枯れているといわれているが、北朝鮮は8月中旬までにグアムにミサイルを撃ち込む計画を策定するとも言っていた。果たして何が出てくるのか。トランプ政権と同じで、北朝鮮も何もやらないと周りからなめられてしまうという性質を帯びている。
したがって無視しているわけにもいかない。だがそうは言ってもここで逆張りしてまでリスクオフの方向にポジションを傾けるには、勇気がいる。ある程度の値下がりを確認してからでないと動けないのも事実である。
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