■足元の円安はなお途中、中期スパンではまだまだ物足りない
このことを理解できれば、足元の円安はなお途中であることに気づく。
たとえば、英ポンド/円は、確かに先週(9月18日~)急伸し、一気に151円のターゲットを達成、昨日(9月21日)は153円の節目手前まで迫り、短期スパンにおけるオーバーボートの疑いが多少なりとも浮上しているが、中期スパンでみると、まだまだ物足りないぐらいで、円安トレンドの加速はまだこれからだろうと思われる。
ファンダメンタルズ的には、英利上げは2017年年内のみでなく、来年(2018年)前半もありといった観測が浮上。マイナス金利維持の円との格差は拡大していく一方だ。
テクニカル的な視点では、筆者が9月15日(金)に書いたレポートが参考になると思う。本文は以下のとおり。
(出所:FXブロードネット)
ポンド/円は早くも2016年年末高値を突破、また突破後の急騰をもって151円のターゲットを達成した。そのわけはシンプルだ、要するに、2016年年末高値を起点とした大型保ち合いが8カ月以上の歳月をかけて形成してきたから、一旦ブレイクされると、強いモメンタムに伴ったオーバーボートを極める傾向にあったから、行き過ぎとは言い切れない。
週足でみる限り、一直線な上値トライ、2015年高値を起点とした全下落幅の38.2%反騰位置を達成しているから、まず目標達成感が強いでしょう。ここから更なる急伸が容易ではないかもしれないが、今週の大陽線は明らかに「長大線」であり、ここからスピード調整があっても所謂「深押し」を期待できないでしょう。
2016年安値を起点とした大型ジグザグ変動の構造をN字型変動と見做した場合、8月安値139.29を計算すると、最大165円台の上値ターゲットを達成できるから、今週の急騰に乗れなかったとしてもこれからの上値余地に鑑み、出遅れることはなかろう。上昇余地はたっぷりあるから、これからの押し目があれば、積極的に拾っておきたい。
■米ドル/円が118円台に戻っていくと考えるサインとは?
当然のように、英ポンド/円に対する強気は、米ドル/円に関する強気に起因するところが大きい。米ドル/円の強気の見方は、次のサインで強化されているのではないかと思う。
要するに、4月安値の一時的な更新は、結果的に「フェイク」、すなわち「ダマシ」であったから、反対の方向(上昇)へセットアップされたということだ。ここからまず5月、7月高値の114円台、その後、2017年年初来高値の118円台へ戻っていく公算が大きいとみる。
(出所:FXブロードネット)
■ユーロ/円は140円、豪ドル/円は92円へ
これとリンクした形で、ユーロ/円や豪ドル/円のターゲットもそれぞれ140円や92円へ上方修正しておきたい。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 週足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 週足)
この上方修正は、円安継続の可能性のほか、米ドルの底打ちが確認されたとしても、円以外の主要通貨に対するリバウンドは緩やかな進行に留まるのでは…といった予測に基づいている。
詳細はまた次回に譲り、米ドル全体が底打ちするとみる理由についても、また次回にて詳しく説明したい。市況は如何に。
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