■ビットコインとビットコインキャッシュに一時的な逆相関
この2017年11月12日(日)前後のビットコインとビットコインキャッシュの値動きを見比べると、「ビットコインが下がり、ビットコインキャッシュが上がる」といった逆相関の関係が観察できる。
取引所によっては、ビットコインキャッシュが3日間で7万円台から一時、33万円台へと暴騰する一方、ビットコインは80万円台から60.8万円へと暴落しているのだ。

※米ドル建てのビットコインとビットコインキャッシュの相関を表示
■その1か月後にも逆相関が顕著に
ビットコインの取引づまりによるビットコインキャッシュ急騰の動きは、1か月後の2017年12月にも見られた。
11月には10万件ほどだったビットコインの取引づまりは、12月下旬に30万件近くまで増加。問題が深刻化するのと同時に、ビットコインキャッシュは高騰。一部の取引所では、価格が50万円を超えた。

(出所:GMOコイン)

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■ビットコイン有事のビットコインキャッシュ買い
ただ、ビットコインとビットコインキャッシュの逆相関は、日常的に発生するわけではない。
ビットコインキャッシュ誕生以来の両者の相関係数を見ると、通常は順相関の関係にある。
いつも逆相関にあるわけではなく、「ビットコインに何か問題が起きると、代替としてビットコインキャッシュの需要が高まりやすい」、「ビットコイン有事のビットコインキャッシュ買い」くらいに覚えておくといいだろう。
■SBIの北尾社長も「キャッシュが勝つ」発言
表と裏の関係といったら、「どっちが裏だ!?」とロジャー・バーに怒られるかもしれないが、ビットコインとビットコインキャッシュが表裏一体の関係を保ちながら発展しているのは事実。
しかも、ロジャーをはじめとするビットコインキャッシュ支持派は積極的なロビー活動を行っており、決済システムとしての導入も働きかけているようだ。
日本でもSBIホールディングスの北尾吉孝社長が9月に行われたイベントで「ビットコインキャッシュが(ビットコインに)勝つだろう」と発言し、また、ビットコインキャッシュのマイニング(採掘)を開始したことを明かしていた。
【参考記事】
●【超初級】 ビットコイン・仮想通貨入門(5) マイニングとはいったい何をしているのか?
熱烈な支持者に支えられたビットコインキャッシュ。将来的にはビットコインの価格を追い越す可能性も秘めている。
(文/ミドルマン・高城泰 編集担当/ザイFX!編集部・堀之内智)
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