■米税制改革法案成立後の不思議な動き
先週(12月18日~)、米税制改革法案が成立。米ドル/円が上昇しましたが、同時にユーロ/米ドルも上昇、NYダウは下落と、まちまちな動きになりました。

(出所:Bloomberg)

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米金利が上昇。同時に独金利も上昇していたため、米ドル高・ユーロ高となり、米金利上昇の影響で米国株安も進んだようです。
FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ直後には為替市場でセル・ザ・ファクトが起きましたが、米税制改革法案では米金利が変化日になりましたね。
米国株市場では、まだ大きな動きとなっていませんが、米金利が続伸するようなら上値が重くなっていくのでしょう。
【参考記事】
●2018年初頭に注目したいのはユーロ/円! 米中間選挙に向けて米ドル/円は105円へ(12月21日、西原宏一)
米税制改革法案が成立して、トランプ政権の次の焦点となりそうなのがインフラ投資。
減税は財政にマイナスですし、そこにインフラ投資の負担が加わるため、国債を増発するのでは? との思惑が出たことから米金利が上昇したようですね。

(出所:Bloomberg)
米税制改革による景気拡大期待が高まっての金利上昇ならいいのですが、先週(12月18日~)は国債増発で財政悪化が不安視されての金利上昇。いい・悪いで言えば「悪い金利上昇」ですね。
米金利が急騰するようだと利益確定売りが出て米国株の下落を加速させる可能性がありそうです。ジリジリ上がっていくなら米国株が崩れる不安もないのですが、来年(2018年)に向けて米金利に注目ですね。
■米国株安と米金利上昇の綱引き
そうなると足もとの米ドル/円は、「米国株安による下落圧力VS米金利上昇による上昇圧力」の綱引きになりますよね。どちらの力が上回るのでしょうか?
ボラティリティによるのでしょう。高いボラティリティをともなわずに米国株が下げるなら、米ドル/円は米金利の上昇に引っ張られるし、米国株が急落すれば日経平均とともに米ドル/円が売られる、というのが基本的な理解となります。
2017年はボラティリティの低い相場が続いたために、米金利と米ドル/円の相関が強まったということですね。

(出所:Bloomberg)
今週(12月25日~)はカレンダーにも注意が必要ですよね。今日(12月25日)はクリスマスなので東京市場だけ。15時頃に取引を終了するFX会社が多いようです。
【参考記事】
●2017年末~2018年始めのFX取引時間は? 国内系と外資系で大きな違いがあることも!?
株式市場だと12月27日(水)取引分から受け渡しが2018年となり、実質的に2018年相場が始まります。動きが出るとしたら水曜日以降でしょうか。
(次ページでは2018年年初に注目したい通貨ペアの話題が…)
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