米経済指標の悪化で、9月利下げ織り込みが80%程度まで上昇。為替市場も全般米ドル安気味に
先週(7月1日~)発表された経済指標は、ISM景況指数が製造業、非製造業ともに悪く、米雇用統計も悪化して、米金利が急低下しています。
9月の利下げが織り込みは80%程度まで上がり、為替市場も全般米ドル安気味になってきましたね。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
全体的に米ドル安にはなっていくと思うのですが、米ドル/円はどうでしょうか。あまり下がらないのかもしれません。
今週(7月8日~)、7月9日(火)、10日(水)には、日銀が「債券市場参加者会合」を開きます。
なにか発表されるわけではないですが、国債買い入れ減額計画(7月31日の日銀会合(日銀金融政策決定会合)で発表予定)の規模感を感じとった金融機関が動くことで、日本の金利が反応するかもしれません。
もし円金利が上がって、米金利が低下するなら、日米金利差縮小で米ドル/円は下がりませんか?
円安の要因は日米金利差、デジタル赤字、家計の円売りの3つ! 日米金利差が縮小しても、残る2つに変化はない
下がったとしても1円くらいでしょうか。
円安の要因は3つあると考えています。日米金利差、デジタル赤字、家計の円売りです。
日米金利差が縮小したとしても、残る2つに変化はなく、円安トレンド自体が変わることはないのではないでしょうか。
今月(7月)はボーナス月でもあり、新NISAを利用した家計の円売りが、1月ほどの規模ではないにしろ大きくなるのではとも思っています。
6月の米失業率は4.1%まで上がりました。
失業率は上がりだすと止まらない傾向がありますし、このまま4.2%、4.3%と上がっていくと、利下げ機運が高まっていくことも考えられますよね。
米ドル/円も162円手前から上値が重くなってきましたし、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)にも過熱感がありませんか?
チャート的には買われすぎのサインが出ているのはたしかですが、買われ過ぎを超えてさらに上がっていくと大相場になります。アベノミクスや2022年がそうでした。
今回も大相場になるという確信があるわけではないですが、米ドル/円が年内170円、数年後には200円を目指す展開となっても不思議ではありません。
(出所:TradingView)
クロス円の買いを検討。政権交代があった英ポンドは情報不足。最有力候補は豪ドル
米大統領選はバイデンさんが想像以上に評価が低い。ニューヨーク・タイムズまで社説で選挙戦からの撤退を求めています。
いずれニューサムさん(カリフォルニア州知事)あたりに変わるのかもしれませんが、トランプさんの当選は固そうです。
選挙絡みでは英国で政権交代が起こりましたし、イランでは欧米との対話を重視する改革派のペゼシュキアン氏が当選しました。
米国からの経済制裁が緩和され、イラン産原油の輸出が増えるのではと推測する人が多いと、週明けの原油価格は弱含むかもしれません。
先週まで注目されていたフランス総選挙はめっきり報道が減りましたし、ユーロも買い戻されています。
英ポンドは上がっていますが、政権交代の影響はどうみますか?
クロス円の買いを検討しており、その候補のひとつが英ポンド。まだ情報が不十分なのでもう少し調べてみようと思います。今は豪ドルが最有力候補です。
豪ドル/円は17年ぶり高値更新に逆らわないほうがいい
豪ドル/円は2013年高値を抜いてきました。
17年ぶりの高値更新には大きな意味がありますしし、逆らわないほうがいいでしょう。
主要通貨が軒並み利下げに向かうなか、豪州は少なくとも年内は利下げがありませんし、織り込みはまだ20%程度ですが、利上げの可能性もあります。
対米ドルではなく、対円での豪ドル買いですか?
6月18日(火)以降、もっとも強い通貨である豪ドルを買いたいですし、売る通貨はなにかというと、今一番弱い円でいいのではないでしょうか。
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
(※次回、7月15日(月)は休載します)
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