為替介入にトランプ前大統領の暗殺未遂事件、週末にはWindowsのブルースクリーン障害も
先週(7月15日~)、この対談はお休みをいただきましたが、その間にも材料が出ましたね。
為替介入にトランプ前大統領の暗殺未遂事件、週末にはWindowsのブルースクリーン障害もありました。
(出所:TradingView)
介入についてですが、4月の介入時にはイエレン米財務長官から「介入はまれであるべき」とのコメントが出ましたが、今回は1週間が過ぎても米国側から反応はありません。
政府・日銀は、米国側から了解を得ていると考えるのが自然でしょう。
市場の一部に「IMF(国際通貨基金)ルールにより介入できるのは半年間に3回」といった説も飛び交っていますが、これは2009年9月にIMFが公表したワーキング・ペーパーに記載されている文言。
いわゆる調査報告書のようなもので「本ワーキング・ペーパーはIMFの見解や政策を代表するものではない」と明記されています。介入に制限があるとは考えないほうがよさそうです。
そう考えている人もいますし、ルールが存在すると考える人もいて、実際はどうかわかりませんが、事実としてあるのは4月に介入が入り、7月も米CPI発表直後と翌日(7月12日)に入ったということですね。
トランプの円安嫌悪発言、影響は?
先週には、河野デジタル相の利上げ催促と、トランプさんによる円安・中国人民元安に対する批判がありました。これが円買いを誘ったのでしょうか。
トランプ発言については、2016年の大統領選前にも円安批判がありました。ただ、実際にトランプさんが当選してから円高になったかというと、そうではありません。
(出所:TradingView)
2016年は大統領選前、すでにアベノミクス円安の反動で円高になっていたために、反応しにくかったという側面もありそうですね。
では、今回はトランプ発言が効くのかというと、現在の円安はデジタル赤字や家計の円売りといった要因も大きい。その2つが変わらなければ、長期的な円安の流れにも変化はないのかもしれません。
ただし、海外勢が好んでいた日本株買い・円売りのトレードは、日経平均が崩れてくると、円売りのほうも崩れてくる可能性があります。
【※関連記事はこちら!】
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トランプ、台湾・半導体業界にも言及
トランプさんは「米国の半導体ビジネスをすべて奪った。台湾は米国に何ももたらさない」と不満を表明しています。
この発言でTSMCが大きく売られましたし、テック系の株全般が崩れるようだと、株式市場の調整が大きくなる可能性もありますね。
(出所:TradingView)
トランプさんの副大統領候補に指名されたバンス氏が「アイ・ドント・ライク・チャイナ」と話したことも影響していますね。
米ドル/円もクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)もチャート的に悪化しています。米ドル/円の160円台も2回落とされており、短期的には重たく見えます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
このまま株の下落が続き、今週金曜日(7月26日)の米PCEデフレータなどの指標が悪化するようだと、7月31日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)でサプライズ利下げなんていうことも考えられなくはありません。今回据え置きだと9月まで1か月以上空いてしまいますから。
原油などコモディティ下落、原因は?
コモディティ市場では週末、WTI原油が下げましたね。
ブリンケン米国務長官が「ガザの停戦が近い」と話したことの影響や、中国景気の先行きを懸念した動きだという説もありますが、ゴールドも下げていますから、米金利上昇を嫌気したのかもしれません。
(出所:TradingView)
長期的な話になりますが、トランプさんが大統領になれば、シェールオイルの採掘を進めるでしょうし、原油価格は下げやすくなりそうです。
トランプさんで原油価格下落というのはメイクセンスですね。
豪ドル/円を戻り売り! リスクオフの流れが続きそう
今週(7月22日~)はカナダの政策金利が発表されますが、0.25%利下げというのがコンセンサスです。
インフレが落ち着いて利下げへ向かうというのが世界的な流れなのでしょう。
今週の戦略はどう考えますか?
リスクオフ的な流れが続くと見て、豪ドル/円の戻り売りでしょうか。
今週ずっとリスクオフが続くとは思わないですが、チャート上はそれなりに下げそうな形となっています。
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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