今週は長期金利の上昇が話題にされた。10年ものの利回りで米国債は2.7%台まで上がってきているのだが、これはここ2、3年のレンジをはみ出したというだけで、実はたいしたことはない。これだけの株高を支えるためのコストとして作用する金利分としては4.0%あたりを下限にして、6~8%台まで上昇しても仕方のないところだ。
それを官主導の緩和政策とか減税策に踊らされて、もしくは騙されたふりをして、現状が維持されているだけなのである。よって資本市場の体質からいって、もう一段の金利上昇が起こっても株価などリスク性の高いものでの調整は依然として限られるのだ。
一方で日本は超緩和スタンスに移行して久しいが、10年ものの利回りが0.1%を超えそうだということろでシドロもどろになっている。これとても2.0%でも構わないくらいだ。コストを支払わないでいる資本主義はあるえないわけで、今となっては株価下落ならば再び量的緩和するしかないという論調になっている。
その試金石が今日、訪れる。日銀の資金オペがどうなるかだ。0.1%の利回りを超えてほしくはないだろうという思惑が先だって、日銀が買い指値でオペを刊行するものと思われている。それでコントロールできるという神通力が通じると思い込んでいるのだ。果たして長期金利はナゾなのか。それとも大本営発表を信じていたいのか。
確かに言えることは憲法改正と同じで、いったん国民投票にかけてダメだったら、向こう30年は話を蒸し返すことはできなくなるということ。日銀がやってもコントロールが効かないことが赤裸々にばれてしまうと、何の支えもなくなり、長期金利は簡単に1.0%近くまで急騰する可能性を秘めている、危ないお遊びなのである。
結果は買い入れの増額だけ。指値オペはやるにはやったが、応札なしなので、やる気のないレベルでビッドしたのだろう。まあ、怖くてできなかったというのが実情だろう。オペ発表の瞬間はドル円も20ポイントほど上昇したが、たかがそれだけ。109.65あたりまで上がっても、前日の高値は超えられない。
ということはテクニカル的な売りも出てくるし、そのうえ日本株も買いで反応したのは2、3分だけとあっては、すぐにドル円を売りこんでおかないといけない。私も109.54でショートにして、ちょっと様子見を決め込んでいる。前日の高値を超えたらポジションカットのつもり。
今晩は雇用統計である。FOMCは終わったばかりであるし、金融政策に影響を与えない以上、あまり注目を集めていない。しかしインフレ指数に敏感になってきている昨今だから、平均時給には目を離すことができない。これが予想のプラス0.3%を超えてくるようだと、一段のリスク回避が起こることが予想される。米国債も下落してしまうが、金利の上昇はドル高をもたらさない。要注意である。
日本時間 16時00分
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