昨日は世の中のリスクがやや和らぐ方向で動いた。早い時間にトランプ大統領がツイッターで、シリア攻撃の時期はまだ決めていないし、公表もしないとつぶやいたことからだ。中東情勢が沈静化するとまではいかないが、シリアに警告を発したことがすぐに空爆につながるのではないことをマーケットが理解して、大いに安心感を得たようだ。
グローベックスでも米国株は上昇。ドル円もアジア時間ではおおむね106円台の後半で推移していたものが、ようやく107円台に乗せてきた。あまり動かないだろうと思いながらも、私もとりあえずドル円を買って参戦。107.06だったので、決して良いコストではない。
そのうえ、いつシリア攻撃があってもおかしくはない。このような状況の中ではリスクテークの方向にポジションを傾けるのは得策ではないことは百も承知だ。しかし短期的なポジショニングである。目先のショートカバーしか考えていない。22時半になって米国株の弁物相場が始まったら、すぐに利食い売り態勢に入るかもしれない。そのくらいの軽い気持ちである。
ドル円は107.40あたりまで上がって停滞した。確かにそこから下がらないので、利食い売りに出す必然性はない。評価益が載っている状態なのだから、相場の一段高を期待して持ち続けるべきなのだろう。
しかしどうしても地政学的リスクを無視できないと感じるのである。またトランプ大統領だから、次に何が出てくるかわからない。私は寝入ることにして、ドル円のポジションも閉じることにした。
夜中にはトランプ大統領がTPP復帰の模索を開始したという話が出た。いうまでもなく「アメリカに有利ならば」という条件付きである。それでマーケットはさらにリスクテークに傾いた。しかしよく考えてみればオバマ政権の時に苦労して協議してきたTPPの合意事項も、完全にアメリカの国益を含んでのものであったはずだ。
そもそも自国に不利なものだけであったならば、合意はしないはずだ。それを何を今さら、という思いもする。ともかくもドル円は日中の高値ゾーンでニューヨーククローズを迎えることとなった。
今晩から米企業決算が本格化する。ニューヨークオープン前に金融大手がいくつか発表する。すでに昨日のセッションで金融セクターは買い進まれてしまっているが、今日が材料出尽くしで売りものに押されることになるのか、それとも一段高をするのか。市場のリスク量を測るためにも要ウオッチだ。
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