金曜日の雇用統計は、結果がマチマチとなった。就業者数は21万人台の増加となったので、これは予想を上回った。あまり期待されていなかったからということもあって、発表直後はリスクテークの方向で動いた。
ドル円は欧州序盤から110.50から110.70アラウンドを行ったり来たりしていたが、その上限ですら超えられない。本当に値幅が小さい動きだった。
その一方で、失業率は悪化し、平均時給も予想を下回るものだった。それがマーケットの膠着間を強めたのかもしれない。すぐにドル円は下落に転じた。ユーロドルは1.17台の中盤まで上がってきて、その後はなかなか下がらなかった。
ユーロのオファーはかなり並んでいるようなので、一撃では上がりにくい。その中をユーロクロスの買いが徐々に出てきて、ユーロのオファーをこなしていく感じ。どちらにしても、雇用統計後の為替相場の動きはダイナミックさに欠けるものがあった。
市場の注目はもっぱら米中の貿易摩擦にあった。東京時間の昼間にアメリカの対中関税の引き上げが実施されて、その影響を見守っているのだ。当然、中国側からの反応を見たいところだ。
同等の報復措置を執ってくるものと思われる。それに付随するコメントがどのようなものなのか。今後に控える対EUや対日での貿易赤字の扱いをうらない意味でも、重要な局面をも迎えているのである。
マーケットは貿易摩擦に関しては、かなり楽観的である。貿易が滞ることにでもなれば、米中双方の生産に支障が出る。それなのに株価は大きく崩れない。金曜日のニューヨーク時間でも米国株は、押し目買いの意欲の強い展開となった。独立記念日の後は大きく続投しているのである。だからドル相場もしっかりと高いレベルを維持できているのだろう。
今週は後半から米企業決算が本格化する。それまでは米中の貿易問題が市場のトピックとならざるをえないであろう。
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