昨日は1日を通じてドル円は111円台の前半のままで小動きだった。ドルの側面から見ると、パウエル議長の講演も終わって、ドル金利の先高感が薄くなった。それでドルを積極的に買っていく根拠が薄まった。それで目先のドル相場は他の通貨に対しても重くなっているのが実情。
それに反して米国株は史上最高値にピッタリと張り付いたままだ。すなわちリスクフルなのだ。だから円相場の軟化は促されているわけで、結果としてユーロ円などクロス円の上昇だけが際立っている。
これも株高に支えられたリスクテークの結果なので、高値警戒感のあるなかではユーロ円をここからロングにしていくのはきついところという感じはする。
今晩はGDPの改定値や住宅予約のデータが出る。しかし本日も小動きを強いられることとなろう。動き出すとしたら米国株が値崩れを始めるときが契機となりやすいが、それを引き出すのは米ドル金利になるかもしれない。
昨夜のマーケットではドル金利、特に短期金利の上昇が目立った。ドル金利のフラットニングが心配されている状況だから、短期金利の上昇はそれを助長することになる。ますますフラット化の度合いが急になる。株価が高いのに景気後退のシグナルとされているから心配されているのである。
ドルの短期金利がそのまま一段高すれば、それは市場の懸念を拡大させる。リスク回避を促すかもしれない。また一方で短期金利につられて長期金利も上昇すれば、それはそれで10年の利回りが3%に近づくなどして、これまた市場の不安心理を誘ってしまう。
GDPの改定値であってもよいが、いずれかのタイミングでドル金利が動き出すかもしれない。日頃、あまり注目を受けていない米国再入札だが、今晩は7年債の入札がある。夜中の2時だ。これもタイミングに数えておく必要があろう。7年債はもっとも重要であって、それは米国債先物の価格形成の元になっているのは、概ね7年債あたりが中心だからである。
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