■決め手は英ポンド相場の反応のしかただった
「4月中旬ぐらいから、英ポンド/米ドルは下落を続けていましたが、値ごろ感からも、もうそろそろ、反発してもいいのではないかと思っていました。
ただ、下落しているときに買うということは、逆張りのトレードになります。しかも、英ポンドは一度トレンドができると、そのトレンドが長く続くことがあるため、不用意に入るのはリスクが高いと考え、買うに買えない状況にありました」

(出所:Bloomberg)
「また、英ポンド/円については、今年(2018年)に入って10円幅の下げが3回ありました。この時点で、悪材料はかなり織り込まれたのでないかという感じも受けていて、そろそろ反発してもいいのではないかと考えていました。
そうした中で、英ポンドはバルニエ氏の楽観的な発言などに買いで反応するようになり、逆に悲観的な材料に対しては反応が薄く、あまり下落しなくなってきました。英ポンドの反応から、悪材料はかなり織り込まれたと考えて、実際に英ポンドで買い出動しました」

(出所:Bloomberg)
その後、バカラ村さんの見通しどおりに英ポンドが反発したのは上のチャートのとおり。材料が出たときの英ポンド相場の反応のしかたに変化が生じたことが、バカラ村さんが英ポンドを買うタイミングだと判断した決め手になっていたんですね。
■誰もが簡単に思いつく悪材料なら英ポンドは下がらない!
さらに、別のコラムでバカラ村さんは、ここから英ポンドが下落するためには「新しい材料が必要」とも言っていました。新しい材料…、なにか、想定しているものはあるのでしょうか?
【参考記事】
●米中間選挙前の米ドル/円は下がりやすい! 2000億ドルの対中関税は米国にも悪影響!? (9月4日、バカラ村)
「今の時点では、英ポンドが下落するような材料は考えつかないですね。誰もが考えていなかったような悪材料が出て、はじめて英ポンドが急落することになると考えています。
誰もが簡単に思いつくような材料であれば、市場もあまり反応しないと思います。たとえば、9月12日(水)に英与党・保守党の議員50名が、メイ英首相の不信任案を提出したという報道がありました。これは英ポンドにとっては悪材料です。
しかし、その時の市場の反応は小さかったので、やはり、悪材料はかなり織り込まれているのだと思います。実際に退陣が決定すれば、英ポンドはもう少し、下がることになると思いますが」

身内である保守党議員の50名に不信任案を提出されたメイ英首相。7月にはデービッド・デービス氏がEU離脱担当相を、ボリス・ジョンソン氏が外相を辞任するなど、英政権内部が離脱に向けて一枚岩でないことを改めて示す結果になった (C)Matt Cardy/Getty Images News
■斜めの線と水平の線!?
ここから先、簡単に想像できるような離脱に関するネガティブな材料は、すでに今の英ポンド相場にあらかた反映されていそうだというのが、バカラ村さんの考え方。そう教えてもらえたら、英ポンドを買ってみようかな~って気分になってきました。
でも、英ポンドは米ドル/円などと比べて、普段から値動きが大きいイメージがあるし、記者などはとくに、バカラ村さんのようにうまく英ポンドのトレードをこなせる自信がありません。
英ポンド相場に、他の通貨とは違った動き方や特徴などといったものがあれば、トレードの参考にできそうなのですが…。
「英ポンド/米ドルは、トレンドライン、いわゆる斜めの線が機能するイメージがありますね。あと、トレンド性が強いので意外な感じもすると思いますが、フィボナッチも機能することがあります」

(出所:Bloomberg)
「一方で、英ポンド/円は、サポートやレジスタンスといった、水平の線が機能しやすいという特徴があると思います。
ただ、これについてはあくまで、英ポンドと円の両方が、市場で注目されていないときの方が効果を発揮しやすいという印象を持っています。今のように、Brexitで英ポンドが注目されているときは、そうとは言えないこともあります」

(出所:Bloomberg)
「あと、英ポンド/米ドルも英ポンド/円も、トレンド系のテクニカル指標を重視した方が良いと思います。オシレータ系も機能するときはありますが、経験上、トータルで考えると厳しいと感じていますので、あまり意識しない方が良いのではないかと思います。MACDを見ることはありますが、それだけで判断することは少ないですね」
英ポンド/米ドルは斜めの線、英ポンド/円は水平の線が機能しやすく、テクニカル指標はトレンド系のものが良さそうということ。これはぜひ、トレードの際に覚えておきたいポイントですね。
(取材・文/ザイFX!編集部・堀之内智 撮影/和田佳久)
(※本記事の取材は2018年9月16日(日)に行っています)
(「IMMの危険水準は円10万枚、ユーロ15万枚、英ポンド10万枚だが、さらに確認すべきは?」へつづく)
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