(「EU離脱交渉に揺れているのに英ポンドはなぜ反発しやすい?バカラ村氏の答えは…」からつづく)

■あんな通貨ペアやこんな通貨ペアも見ていた!
バカラ村さんの見通しでは、英ポンドには悪材料はかなり織り込まれていて、ここから先の下落はあまり考えにくそうということですが、ただ下がらないというのと、今後、上がっていくというのでは、トレードのしかたも変わってきます。
バカラ村さんは今の英ポンド相場を、どのように分析しているのでしょうか?
「英ポンドは、離脱協議の内容次第で方向性が変わってくる可能性があります。でも、チャートだけ見ると、今は主要通貨の中で、加ドルの次ではないかと思うぐらい強い状況です。そのため、英ポンド/米ドルも英ポンド/円も、まだ上昇する可能性があると思います。
オセアニア通貨に対しても、英ポンドは強い状態です。11月の米中間選挙あたりで、オセアニア通貨の方向性が変わる可能性はありますが、英ポンド/NZドルの長期チャートを見ると、長いもみ合いを上に抜けてきています。どう考えても、ここから上がるようにしかみえません(英ポンド高・NZドル安)。ここでも、英ポンドが強いということがわかります」

(出所:Bloomberg)
「また、米ドルの方向性を考えるときに、米ドル/スイスフランを見ることがあるのですが、米ドル/スイスフランは8月下旬にもみ合いをブレイクダウンして、現在、下降トレンド中の中段もみ合いを形成しています」

(出所:Bloomberg)
「中段もみ合いは、通常、もみ合い前のトレンド継続を示唆していると言われているため、1~2週間以内に再度、下降トレンドが始まるのではないかと考えています。ということは、米ドル安になるとも考えられます」
■目先の上値メドをズバリ的中!!
「こうしたことから、英ポンド/米ドルは、まだ上昇するのではないかと判断しています。目先はN計算値を当てはめた1.31ドル台半ばや、前回の高値水準となる1.32ドル台前半が、上値のメドになるのではないかと考えています」

(出所:Bloomberg)
ザイFX!がバカラ村さんに話を聞いたのは9月16日(日)のこと。その後の9月19日(水)に、英ポンド/米ドルはバカラ村さんが指摘した1.32ドル台前半まで上昇して、そこでいったん上げ止まりました。まさに、バッチリな見通し!
バカラ村さんは呪文のようにスラスラと解説してくれるのですが、英ポンドの方向性を予測するのに、対オセアニア通貨や米ドル/スイスフランといった複数の通貨ペアの動きも確認して、総合的に判断しているというあたり、視野が広くて、そう簡単にマネできるものではなさそう…。さすが、世界的なトレード大会で優勝し、数々の実績を積み上げてきたのもうなずけますね。
ただ、英ポンド/米ドルを取引しようと思ったときに、単純に英ポンド/米ドルだけを分析すればいいわけではないということは、多くのトレーダーにとって、今後のトレードの役に立つし、絶対に覚えておきたいポイントと言えるのではないでしょうか?
■バカラ村流、IMMポジションの見方を公開!
そして、バカラ村さんといえば、ザイFX!の連載コラム「FX専業トレーダーの相場観」や、有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」の中で、折に触れてIMM(国際通貨先物市場)のポジション動向を紹介したうえで、為替相場の見通しを語ってくれています。
【参考コンテンツ】
●シカゴIMM通貨先物ポジションの推移
実は、メルマガの配信が始まった直後の2017年3月に、バカラ村さんは投機筋のIMMポジションが偏りすぎていたことに注目して、英ポンド/米ドルで600pips以上の値幅を獲得するトレードを披露。その後の2017年8月には、今度は英ポンド/円で500pipsほどの利益を出すなど、IMMのポジション動向を参考に、英ポンド相場で見事としか言いようのないトレードを繰り返してきました。
【参考記事】
●メルマガ開始直後に600pips獲得の快進撃! 「バカラ村のFXトレード日報!」を読み解く
●英ポンド/円トレードで500pipsの利益獲得! ジャクソンホールでユーロ安誘導はあるか?(2017年8月22日、バカラ村)
バカラ村さんと同じように、IMMのポジション動向をチェックしておけば、トレードにめっちゃ役立つかもしれません。ぜひ、見方やトレードでの使い方を詳しく教えてほしいんですけど…。
「投機筋の買いポジションの合計と売りポジションの合計の差し引きが、目安として円だと10万枚ぐらい、ユーロだと15万枚ぐらいになれば、ポジションが一方向に偏り過ぎていて、巻き戻しの動きを警戒するべき危険水準だという感覚はあります」

※CFTCのデータを基にザイFX!が作成

※CFTCのデータを基にザイFX!が作成
「ただ、ユーロは2015年に一時、売り越しが22万枚まで膨らみました。これは、多くの市場参加者がユーロが崩壊して、ユーロ/米ドルが1.00ドルのパリティ(等価)まで下落すると思っていたときで、ユーロの売り越しがそれまでの危険水準だと思われていた水準と比べても、かなり大きく積み上がりました」
【参考記事】
●IMMの円売り越し13.6万枚! この数字が10万枚を越えると米ドル/円は調整しやすい(2017年11月21日、バカラ村)
(次ページでは、英ポンドの危険水準の目安や、実際にどうやったらトレードに活用することができるのかを解説してくれます!)
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