昨日は欧州時間にユーロ買いが強まった。ユーロドルも100ポイント足らずの急上昇を演じた。米通商代表部とEU交渉担当が、自動車関税について協議するというのが伝わったのだ。
ドル円は112円台の前半でステイしたままだったので、結果としてユーロ円が上昇。それを裏付けるかのように欧州株が高く推移し、グローベックスセッションでは米国株も場中の最高値を更新してきている。
そして本番のニューヨーク市場でも、米国株はラリーした。これは史上最高値を超えてきたので、それにともなって買い戻しのストップロスが誘発したことも一因だ。史上最高値は今年の1月下旬に記録して、その間にいろいろな問題もあったが、8ヶ月ぶりに高値を更新してきたのである。
8ヶ月間もかかったということは、その間は強力なレンジスタンスとしてワークしていたことを意味する。テクニカル分析では相場の引っかかりどころを探るのが目的であるが、そこを抜けてきたのである。引っかからなかったとうことは、物理的にも上値を遮るものが少なくなったわけで、その分だけ買い安心感が増幅するのである。
アメリカの代表的な株価指数であるS&P指数で見てみると、S&P先物は今年の1月につけた2917ポイントが最高値であった。今月に入って何度も高値更新をトライしたが、やはり何度も止められていた。
売りたい人にとっては、底が売りの急所でもある。また底が上抜け下瞬間が買いの急所でもあるわけだ。それで昨日のニューヨーク序盤から米国株は値を飛ばし、場中はほとんど押し目らしい押し目も作らずに上昇。高値圏で張り付いたまま、ニューヨーククローズを迎えている。
これだけ終日にわたって堅調な米国株だったにもかかわらず、ドル金利の顕著な上昇は見られなかった。それがニューヨーク時間の午後におけるドル相場の重さを招いた。ドル円も頭が押さえ込まれ、ユーロドルは再びリバウンド。ニューヨーク終盤にかけてはドル全面安の様相ですら呈している。
欧州の貿易問題が前進しそうだということでユーロドルが上がり基調になってきた。想定レンジの端っこだと思っていても、ここにきてユーロドルをショートにするのは怖くなってきた。それは欧州域内の事情に加えて、リスクテークによるクロス円の上昇も予想されるからだ。いましばらくはユーロドルをバイ・オン・ディップの目で見ていようと思う。
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