昨日は原油高やドル金利が高いことで、米国株は足を引っ張られた。またFOMCの利上げ決定が完全に市場に織り込まれているとはいえ、それに向かってリスクテークする期にもなれず、株価は軟調な地合いを呈した。
またイタリア議会が当初の想定よりも引き締まった財政案を組んだことで、イタリア国債が買い戻され、それが欧州債のメインであるドイツ債の売りを誘った。これは一定のロング・ショートのポジション解消でもある。ドイツ金利の上昇が世界をリードしたとも言えよう。米ドル金利も高い水準に張り付いたままで、10年ものの利回りは3.10%に接近している。
ドル円は終始、112円台の後半でステイ。20ポイントほどの狭いレンジ内にとどまった。ユーロ金利が上がったので、ユーロドルが上がりやすいし、ドル金利も高値針付きなのでドル円も上がりやすい。
その結果として、円絡みのクロス円がすべて値上がりしやすくなっている。円安の傾向はもうしばらく続きそうで、ドル円でもユーロ円でもポンド円でも、高値がどこまであるのか、それを虎石に行く展開が続きそうだ。
今晩はFOMCの金利会合があるが、利上げが完全に織り込まれている。注目すべきところは来年と再来年の利上げ幅をどのくらいまでメンバーが見ているのかということ。来年いっぱいまでは現在と同じペースで利上げが継続されるものと考えられているが、2020年となると不確定性が強まる。
金利相場もここを問題にしないと動けないのが実情なのだが、この期間での利上げ見通しが2回とか3回の意見が出てくると、ちょっとサプライズである。ドル相場が一段高するかもしれない。ドル円も113.60を超えてきても不思議ではない。
国連を巡っての国際会合なども進んでいるが、今までのところ想定から外れたことは何も出てきていない。日米のFFRが終わったが、自動車の関税をどうするかどうかの報道はなされてはおらず、首脳会談が終わってから個別の問題について会見で話すとしている。
自動車の関税を見逃してほしい代わりに農産品で手を打つのだろうとの観測もあるが、それでは二国間協議に持ち込みたいアメリカの思惑通りにはまることになる。
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