週末にアメリカがロシアとの核協定を破棄するということで、世界的に地政学的リスクが高まることが懸念された。それで早朝からグローベックスセッションでは米国株が大幅安となった。しかし為替相場のほうは相変わらず反応が薄いままだった。
ドル円は早朝に112.55あたりで始まったのだが、下がっても112.35ほどまで。リスクに敏感だったと言われる円絡みの通貨ペアとは思えないような小さい値動きである。
しかし中国が株価の下支え策を打ち出すのではないかとの観測が出てきて、それが中国株を大幅上昇に導いた。これはリスク許容度の増大をもたらす。ドル円も東京クローズに至るまでに112.80あたりまで吹き上がった。
海外市場でもリスクに関して楽観的な見方が先行したが、ニューヨーク市場が始まってみるとマーケットの流れは再び反転。リスク回避郵政となって、米国株はすぐにそれまでのゲインを簡単に吐き出した。
ロシア問題に加えて、サウジ問題も気になるところだ。しかしドル円は反応しない。ずっと112.70から112.80の間で、ほとんど動きを見せなかった。経済指標など材料がないだけに、相場の動きは止められてしまった感じだ。
為替相場で目立った動きといえば、欧州通貨の下げくらい。BREXIT関連でメイ首相がスピーチをする前に、ポジション調整のポンド売りが出たのだ。ユーロやポンドも、ニューヨーク時間ではほとんど動かず。
そして今日になって再びリスクオフの動きが強まった。グローベックスでの米国株の下げを見て、やっとドル円も値を下げてきたのだが、112円台のミドルを割り込んでくるほどのこともない。
今晩の見どころも米国株の動向だろう。すでにアジア時間で大幅安しているので、これに対して米企業決算や要人発言でどう動くのか。私はもちろんリスクオフ気味に見ているので、ドル円やユーロ円はショート目に見ている。連日の小動きの相場が続いているので、なかなか思い切って手を出せないでいるのが難点だ。
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