金曜日は米中の貿易問題が解消されるのではないかとの観測が強まって、アジア時間からリスクテークが進んだ。純然たるリスクテークというよりも、10月中にかなり進んだリスク調整分の巻き戻しであろう。どこかで買っておこうと思っていたパッシブ運用を中心とする再投資筋の買いが勢いづいたのだ。
朝がたにはアップル株が大幅下落を演じていた後だっただけに、市場は混乱をきたしたという面も見逃せない。私もドル円を112.82でショートにして持っていたのだが、さすがに耐えきれずゲットアウト。フレッシュな材料が出てきたということなので、しばらくはドル円をショートに振れなくなってしまった。
夕方以降はアメリカの雇用統計待ちとなって、マーケットは様子見。欧州株も高いレベルを引きずっている。一方で懸念されるのは前日の引け後に発表されたアップルの決算であり、アップル株の行方であった。
発表直後の反応では大きくアップル株は下げていたのだが、それが中国のトピックで見えなくなってしまっているからだ。このままリスクテークの流れの乗っていってもいいのかどうか、不明だからである。
雇用統計の結果は良くて、ドル金利が上昇した。ドル円は113円台に乗せてきた。長期金利の上昇は企業利益にとってマイナスに作用するという側面が重視されて、米国株は次第に値を下げてきた。
こうなるとハイテクセクターの将来の売上のことが気がかりとなってきて、米国株はマイナス圏に沈んだ。リスク回避のためのドル円の売りはあまり見られなくて、ドル円は113円台をキープしてニューヨーククローズを迎えた。
今週の注目はアメリカの中間選挙である。火曜日に選挙が行われ、マーケットで材料とされるのは水曜日の午前中となるであろう。しかし今になっても下院のほうの趨勢がまったく余談を許さない。民主党が勝つのか、共和党が議席を保てるのか、わからないのである。
これだけ悪評が出ていても、トランプ支持は根強いということだろう。少なくとも言えることは、選挙結果で共和党が苦戦した場合は市場はリスクオフに傾くであろうということ。トランプ政権の残り2年間の政局運営が困難になることは必死だからだ。
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