昨日は24時間ベースで見ると、市場のリスクのありようは大きく上げ下げを繰り返した。それだけ米中関連の材料が重要視されているからだろう。マーケットとしてはどうせ何とか妥協を図るだろうと見ている。そこへ持ってきて良い材料と悪い材料が交互に出てくるのだ。
しかも癖の悪いことに、良い結果しか出ないだろうと織り込まれているはずなのに、良い材料のほうが相場の反応する度合いが大きいのだ。株価での反応が顕著であって、2倍くらいの値幅で好材料のほうには反応するといったところだ。
前日に大幅高で終わった米国株だったが、昨日の朝がたにトランプ政権が中国からのアップル製品に関税をかけると報道されたことで、まずはリスク回避。グローベックスでは米国株が下げるとともに、ドル円も下押し。しかし20ポイントも下がらなかった。私もドル円をショートで攻めてみたのだが、まったくおいしくはなかった。時間の無駄だった。
夕方になって「米中が相互の利益を考えて合意するだろう」という中国外務省のコメントが流れ、それでマーケットは急激にリスクテークに転じた。米国株は前日の高値をも上回ってきたが、ドル円の方は早朝のレベルに戻っただけ。
ニューヨーク時間になると、トランプ政権側から関税に関して積極姿勢がうかがえるコメントが連発した。自動車にも関税をかけるのが必要だとするもの。また来年1月からの25%への増税も不可避だろうとの見解も出てきたのだ。しかしドル円の反応は限定的。あくまでも週末の米中会談までは鮮明な動きを示したくはないといったところだ。
ニューヨーク終盤にかけて市場のリスク許容度は徐々に回復してきて、米国株は前日比で小幅高まで戻してきた。それに応じてドル円も113.85あたりまで高値攻めをしても、なおもビッドが強いままだった。
今晩も米中関連の要人発言がマーケットを揺さぶるだろう。本格的な動きは出てこないだろうが、値ごろ感だけで相場にエントリーしたら、つまらないトレードをやってしまうことにもなりかねない。ここはじっくりと腰を据えたい場面だ。
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