昨日のアジア時間では、ドル円は109円台の中盤であった。これは先週の金曜日の雇用統計によって持ち上がった後の続きである。ほとんどディップを作らないで推移している。先週までで市場の不透明要因となっていたものが、多くが過ぎ去ってしまったからでもある。
というのも、未解決とは言いながら、米中協議などが前進しているように見えるからだ。何らかの妥協も図られるだろうとの見込みでもある。そうしたドル高の流れは欧州時間に入っても変わらなかった。
ドル円は109.80から109.90あたりまで上がってきて、なおもビッドが強い。ドル金利や米国株はそれほども動いていないなかでのドル堅調である。ニューヨーク序盤にはドル円は110円台に乗せてきた。しかし110円台はキープできずに、やや軟化して海外市場を終えている。
マーケットの3大リスクファクターというのは、株価、金利、為替である。アメリカの中央銀行であるFRBの金利会合が終わって、トランプ大統領に押し切られた形でドル金利の低下の方向に動いた。ドル金利の低下は企業コストの低減につながるので、それは株高要因となる。しかるに米国株は先週から一段高をしている。
一方で為替相場はどうなっているか。ドル円を見てもわかるように、ひじょうに高い。昨日は110円台に乗せてきていたが、これは今年の最高値レベルである。ドル金利が低下するとドル保有の魅力が減るので、ドル相場は下がりやすくなる。
株価と違って、ドルは反対に向かっているのだ。株価が高いのが間違っているのか、ドル高が間違っているのか。どちらかが間違っているのだろうが、これはいずれ判明する。しかしそれがいつになるのかは予測不可能なのである。
先週までのイベントの大きさから言えば、今日も材料なしというべきであろう。目先は米国株が下がり始めないと、ドル円をはじめとするドル相場も動き出したりはしなさそうだ。トランプ大統領の一般教書演説も明日の午前中に行われる。昨年はそこを境に株価が調整となったが、今回はどうだろうか。
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