昨日はアメリカの経済指標が悪かったので、リスクの流れは反転した。良いとされていた年末商戦が、ぜんぜん良くなかったのだ。消費動向の指標としての代表的なものとして小売売上高があるのだが、これが予想を大きく下回ってのマイナスだったのだ。
これでは世界的な景気後退を意識しないではいられなくなるのも当然至極だ。米国株は今週に入ってからのゲインをすべて吐き出し、日経先物もナイトセッションで21000円の大台を割り込んだ。
そもそも年末商戦は毎回、「今年は良い」と予想されるものだ。「今年は振るわない」という予測は聞いたことがない。そして年が明けて経済データが出てしまうと、いつものように「予想ほどではなかった」ということを繰り返している。これは過去20年間は同じパターンである。
なぜこうも同じことを繰り返すのか。期待だけがふくらみ過ぎるのはわかるが、それだったら今はやりのAIとかで近未来予測は簡単にできないものなのか。人間でも容易に毎年のことだと理解できるのに(笑)
ドル円はそれまでの111円台乗せをあきらめて、110円台の中盤へ下がってきた。しかし出てきた材料の大きさの割には、ドルの下押しの幅は小さいものだった。1円級のドル下落を簡単に演じてよさそうなものだったのに、50ポイントほどだけ。それだけ市場の期待変動率も低くなっているということなのだろう。
今日は米中協議の2日目だ。前々回の北京での会談でもそうだったが、会合が終わったからと言って何か会見用のものが用意されていると考えてはいけない。また長官レベルの口からもダイレクトな言及はないものと思われる。出てくることがあったにしても、それは観測記事がせいぜいであろう。
一方で政府の暫定予算も本日で期限切れだ。すでに大統領が予算案に署名することと見なされているが、トランプ大統領のことだから最後の最後まではわからない。なお壁の建設は非常事態宣言を発して対応すると、政権中枢は発言している。
これが今日のマーケット全体をアジア時間からリスク回避の動きに向かわせているのも事実だ。今年になって始まった根拠の少ないリスクテークの流れは一服し、それなりのリスク調整を強いられることになりそうだ。
日本時間 15時50分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)