週明けの昨日のマーケットはリスクテークで始まった。早朝のグローベックスでは米国株が大きく伸びた。S&P先物は今年の高値を上抜けしてきた。東京時間での日本株も堅調。日経先物は21800円台で始まって、こちらもやはり今年の最高値。
今週から始まる全人代に、かなり大きな期待がかかっているようである。景気対策の一環として、消費税を3ポイント下げてくるのではないかと週末の報道では観測記事が流れてもいた。
ドル円も堅調で、112円台を目指す動き。対ユーロや対ポンドでもドル高が進んでいるので、為替相場ではドルの全面高ということになっている。しかし欧州時間に入ると、ややドル相場に利食い売りの動きが出てきた。
それでもドル円の下げは限定的で、111.50をも割り込んでこない。というよりも為替レートの動きの幅が小さいままだというのが実情だろう。米国株も堅調に始まったが、中国との協議は最終段階に入ったというニュースが流れると、最初はそれを好感したものの、すぐに米国株は反落に向かった。
この時点での合意できるとしたら、問題の本質は先延ばしになったのだろうという見方が台頭したのだ。根本的に解消を目指すべき問題としての、知財権と技術移転のことだ。
これらに解決の道が示されない限り、貿易協議しても意味がないと市場は受け取ったのだ。米国株は大幅安に。しかし終盤にかけてはショートカバーも入り、値を戻してニューヨーククローズを迎えている。
米中貿易問題の中心課題は解決が困難なようである。これは事前からわかっていたことだが、それでもマーケットは楽観視してリスクテークに励んできた。昨日のニューヨーク時間での反応を見る限り、それが露わになると市場はリスク回避に傾きたがるようである。
米中の首脳会談の予定が発表されたり、トランプ大統領のツイートがマーケットをダウンサイドリスクに向かわせそうである。いつ起こるかわからないので、細かく損切りが続くことになっても、ドル円やユーロ円で戻り売りを仕掛けておきたいと思う。
日本時間 15時20分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)