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EU離脱案の採決中止! ますます混乱する
英国で、メイ首相降ろしのクーデター勃発!?

2019年03月25日(月)東京時間 15:19

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ザイFX!では先日、迫る英国のEU(欧州連合)離脱(=ブレグジット)を控え、元為替ディーラーで英国在住の松崎美子さんに、その時点での英国の状況や、英議会での実施が想定されるイベントなどについて解説いただきました。

【参考記事】
メイ首相最後の賭け! 3月19~20日も山場、21~22日も山場。混乱の英国から直送レポ!(3月18日、松崎美子)

 松崎さんが注目していたMV3や、EUサミット(首脳会談)は、果たして、どのような結果になったのでしょうか?

 また、当初予定されていた3月29日(金)の離脱が、ひとまず延期されたものの、英国内ではさらなる混乱の火種が生じているようです。

 そこで、松崎美子さんに、再びブレグジットに関する最新情報や、今後の見通しについてご寄稿いただきました(ザイFX!編集部)。


松崎美子さんプロフィール

■まったく見えなくなった、ブレグジットの行方

 英国のEU離脱日となる3月29日(金)まで、残り1週間ほどというタイミングで、EUサミットが開催された(3月21日~22日)。

 当初の予定では、メイ首相のブレグジット案に対する、3度目の本採決(3rd Meaningful Vote、以下、MV3)が、サミット前日(3月20日)に行なわれ、その結果をもとに、EU各国と協議に入る予定であった。しかし、先週(3月18日~)、大きな番狂わせが起きてしまったのである。

■バーコウ下院議長が爆弾発言!

 英下院議会のバーコウ議長が3月19日(火)に、爆弾発言をした。21日(木)からのEUサミットの前日(20日)に実施する予定となっていた、MV3の中止を命じたのである。

 同じ内容のブレグジット案に、何度も何度も投票し続け、時間を無駄にしていることに下院議員たちが不満を抱き、議長に申し立てしたことが発端となったようだ。最終的に、議長は1604年に遡る慣例(※)に基づき、禁止の決定を下したと説明している。

(編集部注:「1604年に遡る慣例」とは、政府が同じ、あるいは実質的に同じ内容の決議案を下院に再提出することは、合法的にできないという決定)

 元はと言えば、昨年(2018年)11月にEUと合意したブレグジット案に対し、12月11日(火)に最初の本採決(1st Meaningful Vote、以下、MV1)を行なう段取りとなっていた。しかし、その前日(12月10日)に急遽、延期が決定され、結局、MV1が実施されたのは、今年(2019年)1月15日(火)だった。

 そこで大差をつけて負けたメイ首相は、2月に予定されていた2回目の本採決(2nd Meaningful Vote、以下、MV2)も延期し、3月12日(火)に実施したが、そこでも政府案は否決された。

【参考記事】
メイ首相最後の賭け! 3月19~20日も山場、21~22日も山場。混乱の英国から直送レポ!(3月18日、松崎美子)

 バーコウ議長によると、採決を実施する場合、ブレグジット案の内容が違えば、問題はないらしい。説明では、MV1とMV2は内容が違ったため、2度に渡る本採決実施の整合性はあった。しかし、MV3は、MV2との違いが認められず、中止となった。

■メイ首相、EUへ交渉期間延長の要請

 バーコウ議長による爆弾発言から、一夜明けた3月20日(水)、メイ首相はトゥスクEU大統領に、交渉期間の延長を正式に要請するため、書簡を送った。

メイ首相がトゥスクEU大統領に送った書簡の一部
メイ首相がトゥスクEU大統領に送った書簡の一部

(出所:英国議会)

 気になる延長期間は、英国が5月の欧州議会選挙に参加せずに済む、6月30日(日)までとなっている。

 しかし、このニュースから数時間経つと、またしても驚きのヘッドラインが出たのである。それは、期間延長に応じるためには、MV3の可決が条件になるという、トゥスクEU大統領の発言であった。

 この条件付きの期間延長について、トゥスクEU大統領は、

「英国の議長は、MV3実施には、MV2と違う内容のブレグジット案の提出が必要だと語った。今回のEUサミットでは、英国の離脱日が変更されるかもしれない。この変更には、EU各国の保証もついており、MV3実施を可能とするには十分であることを確信している」

 と語った。

ブレグジットに関するトゥスクEU大統領の声明の一部
ブレグジットに関するトゥスクEU大統領の声明の一部

(出所:欧州委員会)

■議会関係者から大ヒンシュクを買ったメイ首相

 トゥスクEU大統領に書簡を送った日(3月20日)の夜、翌日(21日)からのEUサミットを控え、メイ首相が短い演説を国民に送った。私もライブで見たが、ほんの3分くらいの短い呼びかけであった。

メイ首相のブレグジットに関する声明の一部
メイ首相のブレグジットに関する声明の一部

(出所:英国議会)

 しかし、この演説の中で、メイ首相は大きな失敗をしてしまい、これがのちのち、彼女の命取りとなるリスクが高まった。

 問題となる部分は、以下の発言である。

「EU基本条約50条を発動して、2年が経った今も、英国議会の議員たちは離脱方法について、合意することができない状態です。その結果、3月29日(金)に、離脱ができなくなりました。国民の皆様と約束した日に、離脱できなかったことは、私自身、非常に残念に思っています。そして、国民の皆様も、このブレグジットのいざこざに辟易しているだろうことは、容易に想像がつきます」

(Two years on, MPs have been unable to agree on a way to implement the UK’s withdrawal. As a result, we will now not leave on time with a deal on 29 March. This delay is a matter of great personal regret for me. And of this I am absolutely sure: you the public have had enough)

 このスピーチ終了直後から、与党・保守党を含む議会関係者の間で、首相に対する怒りの発言が続いた。もし、本気で議員たちの力不足が理由で、ブレグジットが決まらないと首相が思っているのであれば、辞めていただいて構いません…。そういうニュアンスの発言が多かった。

■請願サイトがクラッシュ! 

 EUサミット初日(3月21日)の朝、メイ首相はブリュッセルに向けて飛び立った。しかし、首相不在の英国で、大きな事件が起きた。それは、70代女性による、政府請願ページへの書き込みである。

 英国議会のホームページには、有権者が自由に書き込めるオンライン請願サイトがある。

 ここで、1万人以上の署名が集まれば、政府は請願内容に対し、自分たちの考えを書く形で返答する。もし、10万人以上の署名が集まれば、政府はそれについて審議するのが普通である。

 ただし、私たちが国会中継でよく目にする、国会議事堂内の庶民院議会(House of Commons Chamber)での審議ではなく、お隣にあるウェストミンスターホールという部屋で行われ、採決は取らない。

 今回の請願内容は、以下の通りである。

EU基本条約50条の破棄とEU残留を求める。政府は、国民の意思を尊重し、EUからの離脱を実施すると、何度も繰り返し語ってきた。我々は、この政府の主張にストップをかけないといけない。国民は、EU残留を強く支持している。2度目の国民投票の実施は望めそうにないので、この意見に賛同する人は、請願サイトに署名をお願いします」

(Revoke Article 50 and remain in the EU. The government repeatedly claims exiting the EU is 'the will of the people'. We need to put a stop to this claim by proving the strength of public support now, for remaining in the EU. A People's Vote may not happen - so vote now)

英国議会に寄せられた請願の一部
英国議会のオンライン請願サイトの一部

(出所:英国議会)

 請願を載せた数時間後、芸能人たちの目にも止まり、ツイッターなどで拡散された。それをきっかけとして、一斉に署名が集まり始め、サイトがダウンするというアクシデントが発生。結局、サイトダウン時の署名数は6000人程度であったのに、その7時間後には100万人を越えた。

 報道各局がこの話題を報道したこともあり、メイ首相不在の英国議会でも、この請願が話題となった。レッドソム院内総務は、「もし請願の署名数が、2016年6月に実施した国民投票の離脱票と同数の1740万人を超えた場合には、議会も何らかのアクションを起こすことになるだろう」と発言している。

 ちなみに、当記事執筆時の、日本時間3月25日(月)午前4時時点では、署名数が500万人を越えており、請願サイト始まって以来の署名数を更新中となっている。そして、この請願を書き込んだ70代女性に、殺人予告が何通か舞い込んだため、彼女は英国外に逃げているそうだ。

 今回のEUサミットは、3月21日(木)~22日(金)の、2日間に渡って行なわれた。しかし…

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