先週の金曜日には米国株が大幅安となった。FOMCの結果を受けて上昇した分をなくしただけに限らず、今月になってのゲインをすべて吐き出した。米中貿易がなんら新しい合意ができてこないで結論を出すのも先送りされている。3月1日が期限だったというのも、いつの間にかウヤムヤにされている。
またBREXIT問題にしても同様だ。今月末の離脱はないことになったが、どのような手続きで離脱に向かうのか。不明のままである。過去2年以上も議論してきて結論が出ないものを、2ヶ月ほど延期したからといって、明確な方向性が示されると考える方が不自然である。
こうした底流に流れるファンダメンタルズは変わらないままだったのに、FRBの金融政策の変換を好感し過ぎたのである。FOMCの声明文でも述べられているように、成長は鈍化しているのだ。
鈍化しているから利上げもやめたはずである。景気が悪くなると、企業の利益率も低下する。それでも企業コストの低下を好材料と捉えてリスクテークに励むのは、やはり考えてみるとおかしなことなのである。
さらに金曜日には新規の不安材料も追加された。トルコ中銀の金融政策に持続性が見られないかも知れないということで、トルコ・リラが大きく下落した。またトランプ大統領のロシア疑惑も捜査が終了したという割には、全部を公開しないというふうに、政権に都合の悪いことがあったのではないかとの疑いも出てきた。
それにドイツの景況指数が2012年以来の低水準を記録したのに加えて、アメリカのPMIも予想を下回った。これがリスク回避の動きを促した。私はFOMCの後でドル円のショートをいったんは買い戻したものの、再びドル売りに励まざるを得なくなった。
値段を議論しても仕方がないのだが、自分が買い戻したレベルよりももっと低いところで売っていくというのは、「買い戻さなければよかった」とか「そのまま持っていればよかった」と感じてしまう。しかしこれは終わりのないマーケットの中ではいつでも起こりうることだ。
私のドル円ショート攻めは110円台の前半ですべて買い戻したが、ニューヨーク時間では109円台に突入している。やや値を戻すステージもあったが、やはりドル相場の上値は重い。109円台でニューヨーククローズを迎えている。週明けの今日は、波乱なく先週末の水準でスタートしている。
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