為替相場の動きが鈍いところ、やっとユーロドルが下げ足を速めてきて動意が出てきた。ユーロドルが1.11台を見ることになると、やや緊張感が増す。それは昨年来からの安値近辺でもあり、テクニカル的にも重要な節目を迎えるからだ。
当面の目標は先月につけた安値である1.1175あたりとなろう。もう100ポイントもないので、すぐにでも届きそうである。しかし最近の値幅の小ささを考えると、まだ遠いように見えるだけである。欧州時間ではドイツの景況指数が悪かったこともあって、ユーロドルが安く推移。
ドル円は111円台の後半のボックス圏で固まっていたのだが、ニューヨーククローズ間際になって急激に跳ね上がった。材料は出ていない。単なる需給の問題だったのだろう。市場参加者が意識していたのは、水曜日の夜の持ち越しである。
つまり通常ならば「土日のスワップポイント」と言われる部分だ。木曜日の朝まで持ち越したら、3日分のスワップポイントがもらえるというわけ。それが今回は10日分が適用される。
ショートを持っている人は、スポットが動かないならばいったんは買い戻しておきたいところ。6時を回ってからフレッシュに売り直せばいいと考えるからだ。何も持っていない人であっても、10日分ももらえるのであれば、超短期でロングにしてみようかなと心が動かされる。
それらが相まって、急激なドル高の運びとなったのであろう。何も材料がなかったこともあって、ドル高は他の通貨ペアにも波及した。とくにユーロドルが一段安し、ついに2年ぶりの安値圏へ到達した。
いよいよ日本は10連休に入るというのに、日本株はまったく下がらない。アメリカに付き合って、妙な楽観主義に迎合している。先週の月曜日に日経先物が22000円台に乗せて始まってからというもの、2週間近く、大台割れは一度も喫していない。
確かに上値の伸びも限定的なので動いていないだけと言えばそれまでだが、年初来の高値水準で張り付いていることだけは確かだ。それでも連休中のリスクヘッジのニーズが出てこないのだから、後で急落しても文句のつけようはない。2週間も株売りのチャンスはあったのだから。
米企業決算も昨日は良くないものが並んだ。アナリスト予想として出てくるEPSは、確かにアナリスト予想を上回っている。だから株価が大崩れしないのだが、キャタピラーに見られるような外需依存どの高い企業は、中国貿易の影響をモロに受けていることがわかるのである。
ボーイングが増収減益だったのは、予想通りとはいえ最悪である。SECに目をつけられているテスラも、赤字幅が予想よりも大きかった。またフェイスブックも予想よりも悪かった。
いまのところグローベックスセッションでも大きな変化は見られない。様子を探るにはニューヨーク序盤まで待たなければならないのだろう。また円絡みのスワップも一段落して、今日よりはバリューデイトが連休明けになる。さっそくドル円が下がりだしてきて111円台に逆戻りしてきたりもしている。今晩からは112円台でショートメークで臨んでみようと思う。
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