日本の企業もファーウエイの製品離れが加速してきた。それでマーケット全体はリスクオフの姿勢が強まった。世界全体のGDPというパイが小さくなってくることを見越してのことだ。経済活動が縮小に向かうということ。しかしこういうシナリオは以前からわかっていたことだ。
それを「何とかなるだろう」という妙な楽観論が妨げていただけだ。アメリカの長期金利はいっそうの低下傾向を示した。10年もので2.3%レベルまで下がってきているので、もはや2.0%割れも視野に入ってきている。
米国株は着実に戻し高値は重くなってきた。そういうリスク状況のなかでドル円はもっと下値攻めするかと思われたが、110.30あたりを底にして下がらなかった。110円台の前半には物理的にかなりのビッドが入っていたためと見受けられる。
これはあくまでもテクニカル的に110円台乗せしてきてからの逃げの買い戻しの要請のためであろう。ドル円を買いたい人が一巡するまでは、底堅さはなくならないものと見ている。私としては勢い込んで110.40あたりを何度も売ってショート攻めしてみたのだが、狭い値幅の中で勝ったり負けたりで、実に面白くないトレードをしてしまった。
ニューヨーク時間ではドル円は20ポイントも動いていない。FOMCの議事録が公表されたが、おおむね声明文の内容に沿ったものだった。新規な発見はなく、マーケットにも影響は出なかった。
今晩はドイツとアメリカの景況指数に注目だ。米中摩擦で縮小する懸念のある世界経済が、センチメントとしてどのくらい現われてきているのか。すでに低めの予想がされているが、これを下回ってくるようだとマーケットのムードも悪化する。
リスク回避の流れが強まってきて、米国株も今月の安値をトライする格好となるだろう。そのときこそはドル円かユーロ円でショート攻めである。値段だけの反応でもよく、109円台に突入と同時にストップ的にショートメークしてもよさそうだ。
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