先週は利下げ期待の膨らみと萎みが繰り返される週であった。木曜日にはウィリアムズ総裁が利下げに関して積極的な見解を示したことで、それまで修正を強いられてきた米国株が反発。再び史上最高値を狙う展開となった。それにともない為替相場ではドルが軟化。ドル円も107円台の前半までという週の安値をつけにいった。
金曜日のアジア時間でも7月末の00幅利下げを織り込みにいく展開が続いた。早朝にはニューヨーク連銀の事務方から総裁の発言はあくまでも学術的な物であるとして、今回のFOMCには直接の関係はないとしたが、日本株も大きく反発した。やはり利下げ期待は大きくなっていたのである。
それだけ利下げ期待が膨らんだところに、ニューヨーク時間になってブラード総裁の「利下げ幅は0.25%」発言が出たのである。そもそも今回の利下げ期待の高まりはブラード総裁の発言から始まっているのである。
彼から新しい発言があっても、より強力な利下げ支持の意見が出てくるものと思われていた。それがやや現実的な見解にとどまったことで、過度な利下げ期待は急速にシュリンクした。米国株は前日の大幅上昇分はすべて吐き出して、ドル相場も持ち直したのである。
ドル円は108円台を目指す動きとなったが、一段高にはならなかった。それには株安の影響もあったものと思われる。そして、参院選の結果が出た。おおむね予想通りの結果で終わり、週明けの相場はあまり変化はない。
今週はイベントとして最大の注目点は、週後半に出てくるアメリカのGDP速報値である。6月のFOMC以降の経済指標は総じて良いものが並んだ。そして今回のGDPも良いとなると、6月見送りの7月利下げの納得感がなくなる。
やはりトランプ大統領に押されて「予防的」と理由付けして利下げさせられるのか、ということになる。先週の後半の動きでもわかるように、市場との対話ができていないため、マーケットの金利は非常に不安定な動きを続けている。それの方向感を確かめるためにも重要な週となる。
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