先週の金曜日はアメリカの雇用統計であったが、FOMCも終わった直後だっただけに市場の関心は薄かった。それよりもトランプ大統領の対中制裁の第4弾に注目が集まっている。前日には米国株が大きく反落したし、ドル円も2円級の下げを演じていたからだ。
FOMCが終わって過度の利下げ期待が吹き飛んでドル金利が急反発するかと思っていたが、それが対中制裁の話しで再び低下傾向をたどってきたのだ。こうなってはドルブルに構えるわけにはいかない。
この米中協議に明確な進展でも見られない限り、ドル金利は低下し続けるだろう。ドル円もすでに107円台の前半にまで至っているが、ここはドルショートで攻めていくべきだろうと考え直した。
東京時間でもドル円は106円台に何回か差し込んでいたが、ドル円の重さは変わらないので欧州時間になってからやっと売り込む覚悟ができた。気にすべきポイントは6月安値の106.78なのだが、果たしてテクニカル的にここで引っかかるかどうか。
雇用統計の発表では相場の流れは変わらなかったが、その30分後ほどにCNBCから第4弾の発動が遅れるかもしれないという報道が出た。これは米中協議に対して前向きな姿勢が堅持されていると解釈されて、マーケット全体が急速にリスクテークに傾いた。
米国株は急伸し、ドル円もずっと106円台で安値張り付きしていたのが107円台まで跳ね上がった。私もこのステージでドル円を買いもさせられた。
しかしさらに1時間後にはクドローNEC委員長から「第4弾の発動が遅れることはない」と否定発言が出たことで、市場はすべて反動に向かった。米国株は急落し、今週の安値を下回ってきた。ドル円も再び安値をうかがい、106円台の中盤まで下げた。ほぼ安値引けである。
今週は大きなイベントがない。FOMCと対中制裁の結果を消化しにいく相場展開となるだろう。株安はどこまで進むのか。同様にドル金利はまだ下げ続ける余地があるのかどうか、など。ドル円のさらなる下げは、ユーロ円などクロス円がリードするものと考えている。
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