昨日は早朝にアメリカの財務省から発表があって、中国を為替操作国に認定するということだった。操作国というのは日本などが最も気にしているところのものだ。だから余計に神経質になったのだろう。
早朝のマーケットではリスク回避が大いに進んだ。その前日に米国株は大幅安をやっていたのに、そこからさらに一段安。ドル円も105円台の中盤までしっかりと差し込んできた。
しかしすでに貿易戦争で多くの追加関税が掛けられている状態で、これから為替操作国に認定されたからといって、何をやるのだろう。財やサービスの輸出入自体を停止するわけにはいかない。軍事的な戦争を起こすわけではないのだから、だとしたら何ができるのか。それを考えると実は大したことではないのではないかとい考えもわいてくる。
早朝のグローベックスでは日経先物も2万円の大台を割り込んできていたのだが、東京市場が完全にオープンすると徐々に落ち着きを取り戻してきた。日本株の底打ち感は米国株などにも波及した。リスクの底割れは回避できたのだ。そうなってくるとドル円も上げ足が速くなってきた。
そもそもドル円が押している最中も買いたくて仕方がない人びとが大勢いたはずだ。買えなくてロングにできないのは、純粋に値動きによる。戻りがほとんどなかったからだ。しかし上がり始めるとなると、買いでついて行こうという買い意欲がどんどこ沸いてくる。ドル円は瞬間的に107円台にも乗せてきた。急激な上昇だったといわざるをえない。
これとても過度な反応である。ここ最近のドル安の原因を成してきたドル金利の低下は収まってはいない。少なくとも前日の金利水準よりも低いレベルで一服しているだけなのだ。こうなるとドルを積極的に買っていくという根拠が薄弱となる。
私も106.89で売ってみた。もうあとは待つしかない。ドル円の戻り高値が107.05をちょっと越えたあたりだったので、107.10でストップ注文を置いておけばよいので、気も楽である。
欧州序盤ではドル円は106.60あたりまで軟化してきた。買い戻し態勢に入ってはいるものの、上がりそうな気配がないから無理して買い戻す必要もない。そうして我慢していると、ドル円は106.50を割り込んできた。そして106.30あたりまで下がったところで反発しだした。106.51で買わされるハメになったが、これは仕方のないところだ。
相場の端っこはわからない上に、利食いは最大限まで引っ張らないといけないからだ。 そうしたリバウンドの動きは海外市場でも続いて、米国株は大幅反発となって、7日続落を免れた。しかしドル円の上昇はほとんどなくて、むしろ再び106.30を狙う動きもあった。
今日もドル金利の動きが第一で、米国株がその次。とくにドル金利が顕著に上がってこないと、ドルは買ってもワークしないだろう。昨日は米大統領の補佐官から「利下げ幅は100ベーシスでないとダメだ」というような意見も出てきているので、市場金利は一層の低下を強いられるかもしれない。もちろん株価次第ではある。
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