先週から市場のリスク許容度が上がってきている。これはリスク性の代表としての米国株が上がってきていることでもわかる。米国株は再び史上最高値に届きそうな距離まで上がってきており。S&P先物などは1日もあれば更新できる位置まで到達している。
これは先週に起こった米中協議の再開と、BREXITの延期が英議会で通ったことが大きい。それで市場にリスク投資に安心感を与えた形である。材料がアジア時間か欧州時間に出ることが多かったため、24時間ベースで米国株などをウオッチしていると値上がりはほとんどニューヨーク時間のコアタイムでは起こっていない。
ニューヨーク勢から見るところの時間外取引でリスクテークの織り込みは終わってしまっており、ニューヨーク時間では株価はほとんど動かないというパターンを繰り返している。このパターンは先週の水曜日から継続しており、それが上昇幅を徐々に縮めながらも昨日までは続いているのである。
これを見越してアジア時間ではリスクオンになりやすくなっている。その結果として日本株も東京時間でよく上がるようになった。そのため日本株は割高な領域にまで達しているのだが、パターン重視の短期スペック勢は崩れるまで同じ投資方法をやめない。
パターンが崩れるまで同じ状態を続けようとする玉が出てくるならば、それに追随しようと考える向きも出てくるわけだ。こうした株価の動きに表されるリスク性の増減は、そのままドル円やユーロ円の動きとなって現れる。昼間に上がりはするものの、ニューヨーク時間にはいったら上げのペースは鈍るというものだ。
今日も朝からリスクオンの流れとなった。日経先物は簡単に前日の高値を抜けてきて、21440円まで高値を拡げた。しかし米国株はグローベックスで頭が重くなってきているせいか、前日の高値を超えてきていない。
これはRSI的な見方をすると一種のダイバージェントになっているとも言える。ドル円も107.50近くまで上がったが、ちょっと荷もたれ感が出てきている。パターン的なものが崩れたのだと断定するのはまだ早いが、ここから高値追いはしないのが得策だろう。
今晩もマーケットの材料が少ないため、株価次第という展開となるだろう。木曜にECB金利会合を控えているのだから、ユーロドルなんかがもっと意思のある動きをしてもよさそうなものだが、とくに金融緩和を催促するようなユーロの下落プレッシャーは見られない。
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