昨日はアジア時間ですでにドル円は107円台の後半が重たくなってしまっていた。その前日に市場で大きなリスク回避が顕著になったからだが、アジア時間ではもうちょっと反発するものと思われた。東京勢がいつも買い向かってくるからである。私もドル円を売り込もうと考えていたので、戻しは待っていたのだが、それがなかったのである。
昨日も海外市場ではリスク回避が続いた。新規な材料としては、北朝鮮の発射したミサイルがSLBMではないかとの疑いが出てきたこと。これに対して間もなく始まろうとしている米朝会合におけるアメリカの態度はどうなるのかという不安定要因の増大。
次にBREXIT絡みで、ジョンソン首相から出てきた新提案というのは何の代わり映えもしないものであったことである。提案が受け入れられなければ強行に離脱すると口で入っているが、すでに先月、合意なしの離脱をするくらいならばEUに離脱延期を申し入れることを議会で可決している。ただのパフォーマンスとしか見えないのである。
アメリカの雇用関連のデータが出たが、ほぼ予想通りとも言えるのだが、指標の悪化に敏感になっていた市場は過度に反応することとなった。ドル金利の低下も見られ、完全なリスクオフ。ドル円は107.50をも割り込んできた。私も我慢できずに107.44で売っていった。
さらなる悪材料として、WTOがアメリカの対EUでの報復関税を認めたことである。エアバスへの補助金が実質的な関税障壁と同じではないかという従来からのアメリカの主張を是認したわけである。これによって米側は食料品の輸入に追加関税をかけるだろうと考えられている。
これによって米国株は大幅続落となった。ここ2日間の下げで、9月に持ち上がったゲインはすべて吐き出した格好となる。ドル円も下げるには下げたが、あまり下げを急いでいないようだ。ぜんぜん破壊力のあるような下げ方を見せないのである。私はバリューデイトの入れ替わる朝の6時前に107.18でドル円を買い戻してトレードを終了。
今晩もリスク回避との戦いとなる。アジア時間での巻き戻しのどこを捉えて、ドル円やユーロ円のショートポジションを仕込んでおくかが大事である。あまり早く作ってしまうと、価格の戻しで自分が傷ついてしまう。かといって値動きは無視できないという事情もある。まずはニューヨークオープン、できれば現物株の始まる22時半アラウンドでの挙動に注視したい。
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