■ユーロ/米ドルの下落もあくまで途中の「押し」
前述の見方が正しければ、目下みられるユーロ/米ドルの深い押しもあくまで途中の「押し」とみられ、今年(2019年)の安値再更新は回避できるだろう。テクニカル上の視点は昨日(11月14日)の午後配信したレポートをもって説明したい。本文は以下のとおり。
(出所:ひまわり証券)
我々はユーロの息の長い切り返しの可能性を繰り返し指摘してきた。従って、目先までの反落、基本は調整子波と見なし、1.1関門割れがあっても下値限定の公算。再度底打ちのサインがあれば、押し目買いのスタンスで臨みたい。
具体的な根拠は前記位置づけ以外、目先の安値がすでに10月1日安値を起点とした全上昇幅の0.618押しを達成していることが挙げられる。次に、10月15日(赤矢印)罫線が「スパイクロー」のサインを点灯、同安値0.0991は目先のレートに近く、また10月前半(ブレイクされた前)における抵抗ゾーン(緑矢印)と合致、重要なサポートゾーンと化しやすいかと推測される。換言すれば、同サポートゾーンは常に相場の値動きによって証明されてきたから、今度も役割を果たす可能性が大きい。
最後にRSIなどオシレーター系指標も総じて途中のスピード調整と示し、またすでにその許容範囲に達していることを暗示。もっとも、10月21日、10月31日高値を「ダブルトップ」と見なした場合でも、1.09後半はその指示ターゲットとなり、目祭の値動きを含め、すでに完成されたか、これから完成される確率が高いでしょう。再度底打ちのサインを待ちたい。
■主要クロス円は英ポンド/円>ユーロ/円>豪ドル/円
豪ドルの場合、昨日(11月14日)、雇用統計の悪化を受けた急落が見られたが、同じく切り返す途中における深い押しと見なすことができ、今年(2019年)の安値更新にはほど遠い。急落があった分、回復するまで時間がかかるとは思われるが、目先、ベア(下落)トレンドへ復帰する可能性は低い。
(出所:TradingView)
英ポンドは対米ドル、対円ともに堅調な値動きを示し、高値圏での保ち合いを維持、ドルインデックスの反落があれば、英ポンド/米ドルの続伸で、主要外貨をリードする市況が見られるかとも推測される。
(出所:TradingView)
こういった推測が正しければ、主要クロス円の出番やパフォーマンスも「英ポンド/円>ユーロ/円>豪ドル/円」のような市況が想定される。
もちろん、ドルインデックスの反落とともに、米ドル/円の「底割れ」があれば、話が違ってくるが、目先の可能性は完全になくなりはしないものの、だいぶ低下し、あまり憂慮しなくてもいいだろう。
なにしろ、前述のように、今の相場は本来の市況に戻ったばかりなので、リスクオンのムードがあってもなお初歩段階にあり、バブルにはほど遠い。また、米ドル/円の変動率からみれば、むしろ全然「足りない」ので、必要以上に悲観的な解釈は不要だ。
それどころか、ユーロ/円、豪ドル/円など主要クロス円の反落は、出遅れたロング筋に参入の好機を提供してくれていると思う。米ドル/円の200日線を巡る攻防は、早晩ロング勢の勝利になる見通しにおいて、ユーロ/円も豪ドル/円も今の英ポンド/円のように、早晩200日線をブレイクし、また、その上に定着するだろう。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
市況はいかに。
(執筆13:00)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)