昨日は欧州序盤でのブルーンバーグ通信が市場を決定した。米中協議において第1弾の合意がもうすぐできるというのだ。それを受けて15日の関税上乗せは回避されると見たマーケットは、急速にリスクテークの流れに変わった。
その直前までは世界的に株価は安値攻めをしており、日経先物もナイトセッションの序盤で22960円まで突っ込んでいたところでもあった。そうしたリスク回避のポジションの巻き返しも大きかったのだろう。その後の株価上昇は大きいものとなった。ニューヨークオープン前にグローベックスでは米国株が前日の大きな下げ分を取り戻していた。
ドル円は昼間に108.43までリスクオフが進んでいたのだが、夕方の報道からは切り返し。しばらくは108.70あたりでもんでいたが、そのまま腰の強い展開となった。
私もドルロングにして攻めてみようと考えたが、こんなに観測記事で上下反対方向の動きに変わってしまうと、とてもではないが確信をもってポジションを持っていられない。私は1日だけ間をあけるということで様子を見ることにした。
とにかく市場は米中協議の行方にのみ左右されているといえる。とくに昨日は経済指標がおしなべて悪いものがならんことでも明らかだ。民間調査の雇用データも悪く、サービス部門の景況感も悪くて事前の予想を下回ったのにである。
通常ならば雇用に関する数字と、消費に絡んでくるセンチメント調査には敏感になり過ぎるくらいの米国株である。それでも悪い材料には反応しなかったところをかんがみると、市場の関心は15日に迎える追加関税の1点に絞られているようだ。
そういうわけで、ここ2日間、欧州序盤で相場の流れが決まった。トランプ大統領がイギリスにいたことにもよる。それでも中国側からの発言もこの時間帯に出てくることが多く、やはり欧州序盤は要注意の時間帯となるであろう。
暗くなってきてからが勝負どころ。ニュースで流れる前に値段の方が先に動くので、マーケットを注意深く見ていることが重要だ。また経済指標は昨日と同様に市場に影響は与えないだろう。
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