1月の相場が終わった。今年に入っていろいろと市場の不安材料はたくさん出てきたのだが、それにはまったく反応せずで米国株は史上最高値をうかがう動きをやめなかった。北朝鮮の言及していたクリスマスプレゼントは、年が明けたら何かの動きを示すのではないか。
イランの司令官を殺害したり、イランからミサイル攻撃を受けたりなどの地政学的リスクの高まり。形だけだが月末に控えたイギリスのEU離脱。トランプ大統領の弾劾審議。中国発の新型ウイルスの流行。
普通であれば、これらのうち一つでも出来したら大きくリスク回避に傾くだろうに、米中の第1弾合意がまとまったというだけで、すべての悪材料を飲み込んだ観がある。
悪材料が出ても下がらないと感じる最大の要因は、米国株が月初の水準をなかなか下回らないことである。そうでないと1月の月足も陽線だったと言うことになるのである。米国株の代表であるS&P先物などは3236ポイントが一つの目安を与えた。
これは昨年末のレベルである。イランの時はこれを下回ったが、戦争が起こらないとなると再び騰勢を醸し、3337ポイントの史上最高値をつけにいく始末。それがやっと最終日でウイルス感染を心配したリスク回避の流れが強まって3227ポイントで付きを終え、短い陰線となったのである。
株の下がりにくさは、素直に為替相場にも反映される。ドル円やユーロ円の下げが鈍いのだ。それが値幅を小さくさせている。1月に出た悪材料ならば、感触としては105円台くらいまで下がっていてもよさそうなものだ。それが一方的に下がっていかないのは、やはり米国株の腰の強さにあろう。
リスク性の高いものの本体が値下がりしていないのに、率先してドル円だけ下げるという法はない。またユーロ円も120円割れをきっちりと定着するのも困難にしている。今のところ、ユーロ円は119円台に入ったら買っておけ、見たいな形をしている。
さて今晩のマーケットの関心は、先週末に大きく下げた米国株の動向であろう。コロナウイルスのせいで消費が減退する事は避けられず、経済指標が出ても「それは古い数字だ」ということで一蹴される可能性が高い。
ウイルス感染はもうしばらくは続きそうであり、即効性のある対策を立てられない現状では、各国の打ち出す政策で一喜一憂するしかなさそうだ。時間がかかりそうなので、相場の動きも遅いだろう。ずっと持ち続けられるようにスモールサイズのポジションにしておいて、様子見をするのがよさそうだ。
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