ドル円が110.30を越えてきたことによって、つまり今年の最高値を更新してきたことによって、形の上ではショート勢の負けとなっており、いっせいに買い戻しの動きが強まっている。これは相場というものの性質上、何でも同じことであって、避けられない。そうした理由もあるので、テクニカル分析は重要視されているのである。
コロナ・ウイルスで大騒ぎしてきたここ1ヶ月あまりだったが、結局のところ、米国株やドイツ株などは先週には連日の最高値更新を繰り返すこととなった。ウイルス感染ではマーケット全体が大して影響を受けないだろうという楽観論が優勢となってきたからだ。
それでも金曜日はちょっとウイルス感染に関して敏感な動きとなった。日本や韓国での感染者数が急増したのに加えて、チャーター機でアメリカに帰った人の中にも感染者が見つかったからだ。
さらにアメリカのCDCが発表したところによると、これまで国内で死亡しているインフルエンザ患者が1万4千人ほど出ているが、これには実は新型ウイルスでの死亡も含まれて要るのではないかという見解が示されたのだ。
これで米国株は大幅安となり、日経先物も23090円まで下押しした。ドル円も112円台に乗せていたのだが、そこから反転して下落しだした。
アメリカはコロナ・ウイルスとは関係ないとされてきたが、どうやら様相が変化してきたようだ。しかもアメリカの場合は癖が悪いかもしれない。そもそも医療費が高いので、多くの米国人は罹患しても多少は我慢する。医者にはかからない。強制的に検査しようものならば、人権がどうだのと反対の声が上がる。
今週は日本や中国での感染状況よりも、アメリカでの様子のほうがマーケットを揺さぶることになりそうだ。2月の最終週でもあるので、今月は月足で米国株が陽線をキープできるかどうかが注目点となる。ゲインをすべてなくすようだと、市場全体でのリスク回避が進むことは避けられない。
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