昨日のアジア時間では、ドル円が110円台の前半で始まった。しかし東京時間中は大いにリスクテークが進んだので、ドル円も110円台ミドルまで値を戻してきた。米国株は連日で大幅安しているのに、本邦勢は値頃感を抱いたからであろうか。
日本株はまたもや長い陽線を形成することになった。始まりが安いのだから陽線になったと見る向きもあるが、それでも日中に激しく買い向かわないと相場が上昇することはなく、陽線となることはない。やはり日本人が中心となってリスクテークに励んでいるのは明らか。
欧州序盤ではそうしたファンダメンタルズを無視した動きは一掃された。ギリシャにも感染者が見つかったらしいということで、いよいよ世界的な蔓延が視野に入ってきたからだ。EUは国是として生きないで国境を儲けないことを意図している。
だからイタリア北部やギリシャも、ウイルス拡散防止の目的であっても壁で囲うことは困難だ。もしも旅行者を入国禁止にするようならば、イギリスのEU離脱が正しかったことになる。どこの国も国家主権は取り戻したいはずだから、非常事態に何もできないのは苦渋の選択でしかない。
しかしニューヨーク序盤では、市場のリスク許容度は著しく回復。楽観論が戻ってきたようだ。ドル円は欧州時間に再び110円割れをうかがっていたのに、110.75あたりまでショートカバー。今日はさすがにリスク回避しすぎた分の調整モードになるのかと思われた。
南米ブラジルでもウイルス発見ということで、再びマーケットはリスクオフに傾いた。米国株は大きくゲインしていたのに、それをすべて吐き出した。米国債も10年もので3%の大台を下回ってきてもいる。ドル円は再度の安値攻めをしたのだが、110円割れには至らなかった。結果として為替相場だけがつまらないレンジ内にとどまっている形となっている。
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