昨日はアメリカの政策期待で、米国株は大幅高となった。史上最大の上げ幅である。そのアメリカの財政支出も現在のところ、民主党の修正事案でややもめている。企業支援のほうに手厚い共和党案よりも、個人への現金給付に重点を置く民主党案なので、そもそもの発送の原点が違う。
通常ならば折り合えないところだが、目下のところウイルス感染で国家非常事態が宣言されているさなかなので、不必要なまでの政治的な抵抗は出てこないものと予想される。そうした一連の期待が中身と関わらずに、市場に期待感を抱かせている。
ここのところのドル円は109円台から111円台の中での推移が続いている。FEDの連続利下げの効果を打ち消すほどにドル買い圧力が強まっているのは、やはりもしものときのためのドル買いであろう。いま手元のドル資金に余裕があったにしても、1ヶ月先はどうなっているかわからない。そうした不安がよりいっそうのドル買いが活発化するのである。
ドル金利が低下中のドル高だから、完全にファンダメンタルズに逆行している。それを承知の上での111円台である。また逆に言うと、それ以上は買い進む理由がないとも言えるのである。市場が落ち着いてくれば、次はファンダメンタルズに沿ってドル安の流れが加速してもおかしくはない。
それほど無理なドル買いなのである、アメリカの財政支出がどれほどマーケットに安心感を与えるのに寄与するか、今のところは株価の急激な上げだけでしか判断できないが、株価の急落が見られなくなったら、市場は通常に戻ったと考えられる。
それには経済対策の第3弾の法案がどのような形でまとまるかを注視しておく必要がある。それは今週中にも成されるであろう。その上で株価が上がらないにしても、少なくとも値崩れしなければ。そこからはスモールずつでもドルを売っておくべきではないかと考えている。
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