マーケットではウイルス感染の拡大に関しては、かなり楽観的になってきたようだ。1ヶ月先にはもう事業を通常通りに再開していそうだと考えているほどだ。一部の識者は依然として注意を喚起しているが、市場のほうは常態に戻るのを先取りしたいようだ。
昨日の米国株もオープン時からすでに大きく上昇しており、そのまま堅調で引けた。途中、サンダース氏の選挙運動からの撤退が報道され、これが保険セクターをはじめ金融系の買い戻しにもつながった。米国株は一段高して終了したのである。
その間、為替相場は静かであった。ニューヨーク時間ではドル円は20ポイントほどの値動きしかしておらず、まったく動意薄という感じであった。私もドル円をリスクテークのつもりで買ってみたりしたのだが、すぐに同値近くで売り払ってしまうことが繰り返された。
これからの問題は都市封鎖が終わっても、果たして株価は元に戻ることができるのかどうかである。この数ヶ月で生産活動を止めてしまったことによって失ったGDP分はもう戻ってこない。またサプライチェーンの見直しも図らないといけないところだ。
その上、感染者数がゼロになるわけではなく、薬が開発されるまでいつ何時また感染爆発を起こすかわからないのだ。そういう不透明要因もあって、株価などのリスク資産はそう簡単には2月の高水準まで戻すことは容易ではないだろう。
また通常化になるとドル円などはどうなるか。非常時のためのドル資金手当という名目で買い進められていたドル需要は薄まることになる。それにつられてドル相場は全面的に軟化すると見るべきなのか。いまのところ過剰なドル買いは見られなくはなったものの、ドルの下押し圧力は大きいとは言えないのである。
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