週末にOPECプラスの合意が成ったが、予想を下回り、970万BPDの減産のみとなった。そもそもマーケットの期待が2000万BPDであったのだが、肝心のアメリカやカナダ、ブラジルの協力を得られなかったということだ。
それで週明けのマーケットではもっと大きく価格下落という反応を見せるかと思われたが、反応は小さかった。原油先物の中心限月は6月限だが、それが先週末と変わらない水準であり、30ドルちょうど近辺。
30ドルだからといって値上がりしているわけではない。元々が5月限より6月限のほうが5ドルほど高くて、言うまでもないことだがこれはキャリイングコストによるものである。したがってスポット価格は依然として24ドルとか25ドル台のまま。
アメリカの対応を見極めるには、もうちょっと時間がかかるのかもしれない。メディアでは歴史的な合意だとか言っているのが不思議でならない。市場の反応を無視して希望的な見解を述べているだけのように見える。
昨日も欧州がイースター休暇なので、マーケットは動意薄。ニューヨーク時間になって、ようやく動き出すものと思われたが、いかんせん、イベントがない。コロナウイルスの感染状況と原油価格の動向しか、見るべき物はなかった。
クラリダ副議長がデフレは回避できるとか、ゼロ金利は当面続行などと発言したが、マーケットの反応は薄かった。FRBが電撃利下げを強いられた1週間前には「利下げを織り込んでいるのは不可思議だ」と間の抜けたような発言をしていたのだから、その主張には説得力は乏しいと見られても仕方がない。市場との対話は大事なのである。
昨日の為替相場はドル相場が軟化した。とはいえ、値幅は小さい。他の金融マーケットと同様に、ボラティリティは低下してきているのだ。
今晩から米企業決算が本格化する。見たこともない数字が出てきて市場が大騒ぎするのか、それとも無視することになるのか。それが見ものである。予想としてはマクロな経済指標と同様で、悪い結果には反応しないのではないかとも思われる。
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