経済の回復への自信が衰えず、昨日もナスダック指数は史上最高値を更新してきた。懸案のフェイスブックも大きく値上がりしている。あれだけ広告を出すな運動にさらされているのに、収益減を気にしていないのだろうかと思いたくなる。
また話題になったのはテスラ株の上昇である。ついに時価総額でトヨタを上回り、世界一になったのだ。ハイテク関連だということで買われるのはわかるが、いまだに世の中にテスラ車が走っているのを頻繁に見ることはない。
つまり売上という名目が、まだ表に現れていないのだ。しかもテスラ株はこの3ヶ月ほどだけで2倍になっているのだ。いったい何を根拠に株価を形成しているのかと不思議に感ぜざるをえない。
米国株が終盤に向かって失速したのは、米国内での感染者数が過去最大になったからであり、またニューヨーク市での店内飲食の容認が延期されたからである。為替相場もそちらのほうに反応した格好だ。昼間には108円台をやっていたはずのドル円も、107円台中盤まで押し込まれている。
今晩は雇用統計である。就業者数の予想は300万人の増加くらいになっているが、これにまともに反応していけないのは最近の傾向のままであろう。
少ない数字が出てきても、それはこれから良くなるはずだという楽観視が優勢となっていることで無視されるからである。ただ地合いだけを見ると、昨夜のADPの結果が好感されたように、マーケットはリスクテークのムードに浸っているといえよう。
リスクの有り様の指針はやはり株価に求めるしかなさそうだ。昨日のように力強く米国株がスタートしても、コロナ感染や香港情勢などで伸びが頭打ちになってしまうかもしれない。
そうなると連休を控えた米国市場は、ポジション整理が急がれることになる。ドル円も106円台まで突っ込む可能性が高まろうというものだ。特に昨日の東京時間での108円台での高値トライからの失速は、かなりドル円相場の頭を重くしているものと見られる。
日本時間 15時30分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)