昨日は夏枯れの中でも少ない材料の一つとされるジャクソンホールの講演であった。どこまで金融緩和に関して踏み込めるかが注目点であったが、予想通りに「インフレ率が若干、上振れても構わない」というスタンスを示した。雇用が徐々に回復していく過程での、多少の行きすぎには目をつぶるということだ。
これは金融マーケットになぞらえると、短期金利は政策的にもゼロ金利に抑制しておくが、一時的に長期金利が2%を越えてきても構わないということだ。注意深く扱わないといけない長期金利であるが、量的緩和の名目のもと、資産購入の対象とされてきた米国債も、ある程度の在庫調整は認めるということだ。
これをうけて米ドル金利、とくに長期金利は上昇が明瞭になってきて、為替相場ではドル高がすすんだ。ドル円は106円台のミドルを越えてきて、なおも堅調。株高によってユーロ円も強いため、ユーロドルはあまり下がらない。ジャクソンホールを期待しての相場展開は、結局は大きな株高をもたらしただけのようだ。
今晩はCAPMやミシガン大学などのセンチメント指数が出てくるが、何分にも昨日の大きなイベントをこなした後だから、相場に大きな影響を与えることはなさそうだ。見るべきポイントはドル金利の上昇具合と、それに伴うドル相場の上値の限界であろう。
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