安倍首相が辞意を表明した。夕方の記者会見は予定されていたものだったが、それに先立つこと3時間ほど前であった。最長の政権維持だと報じられた後の事だっただけに、若干のサプライズを持って迎えられた。
アベノミクスに関する評価はマチマチだが、それでも低金利を継続し、それに支えられて株価も上昇したことは事実だ。そのアベノミクスが終焉するということで、反動のリスクオフがマーケットに現れた。
日経先物は30分で800円ほど下落し、東京クローズにかけてその半分ほどを取り戻した。つまり一方的なポジション調整の展開にはならなかったわけである。一方で低金利を充てにしていたドル円も調整するはずで、107円目前まで上がっていたドル円は1円幅の下げを演じ、ニューヨーク時間ではさらに下押しし、105円台の前半まで押し込まれている。
為替相場ではジャクソンホールでのパウエル発言によるドル安効果もあったので、ユーロドルやポンドドルなどもいっせいにドル安方向にむかって走り出したので、クロス円としての下げは限定的だった。
私もドル円が105.50を割り込んできてから何度かショートで参戦した。2回は損切りの運びとなったものの、益出しのほうもなんとか満足できるだけの成果を出すことはできた。
今週は最高値を更新し続けている米国株の動向も重要だが、長期債の値崩れのほうの可能性も高まった。米国債のほうはパウエル議長がインフレ率の一時的な上昇は目をつぶるとしたことで、長期金利に上昇の余地が大いにできたからだ。
円債のほうはアベノミクス終了というセンチメントの悪化が、財政規律のほうに目を向けさせることにもなりそうだからだ。日銀総裁の更迭といった話しも出てくれば、円債相場の急落もありうるものと考える。またそれはストレートな円買い要因につながる。
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