米上院の2議席を巡って、マーケットはやや神経質になっている。民主党が2議席を取れれば、問題なく政権移行した後も大型な財政支出が期待できる。2議席ともに取れないと、ねじれが生じて予算案などもスンナリと通過しなくなる。これによって次の中間選挙までの勢力図が決まるのだから、リスク量を大きく振り分けるのは慎重を期することになる。
為替相場ではドル安の流れは変わらない。昨日はドル円が103円ちょうどを割り込んでくると、もうネバーカムバックだった。去年一年分の逃げのオファーが出てくるかのように、103円台には大量のオファーが並びだした。そしてほとんど戻しらしい戻しも作らずに、ドル円は102.60まで下押し。そのままニューヨーク市場も安値引けしてしまった。
明日にでも日本政府が緊急事態宣言を出ることになっている。しかし今回のそれは前回よりもかなり緩い規制となりそうだ。スポーツジムやゲーセン、カラオケなども営業をストップするところまでは求められていないようだ。その分だけ飲食業にしわ寄せが言っているようにも見える状況だ。
しかし緊急事態宣言とか戒厳令というのは、政治権力を持った側が最後に放つべき伝家の宝刀であるのに、こんなにも容易に打ち出してよいものか。もしも1ヶ月の緊急事態の期間を終えて、何も社会や感染状況に変化が現われなかったら、あの緊急事態宣言は難だったのだろうかということになる。
それはちょうど東京都の「東京アラート」と同じである。「あれは何だったのか」ということになると、今後に再び発出することがあっても、その神通力は限られるものとなる。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)