昨日に出てきた経済指標は、おしなべて悪いものが並んだ。FRBが目下のところ最重要視している雇用に関連しての失業保険は、新規申請が予想よりも悪かった。また大型消費の中心を成す住宅着工件数も、予想を下回った。これは一昨日の発表された小売売上高や鉱工業生産がすべて良かったのと、実に対照的である。
それだけコロナ感染後の統計データのブレが大きくなっていることの表れであろう。データがそのような傾向を示しているということで、マーケットのほうも額面通りには反応しなくなってきている。素直に南欧すべき関心事は、ワクチン接種の拡がり具合や、バイデン政権での1.9兆ドルの追加予算の行方に移っている。
昨日はその悪かった経済指標に対して、心配のタネであった長期金利がやや低下。それをうけてドル相場も前面安の流れとなった。とくにポンドドルは1.39台に乗せてきて、今年の高値を更新している。
今晩はドイツ、イギリス、アメリカの景況指数が順次、出る。景況感はかなり改善していることが見込まれているので、イベントとしての関心は薄いものとなっている。ドル円やユーロドルはここ1、2週間のレンジを抜けることはできないだろう。
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