イエレン財務長官の利上げ示唆とも取れる発言があったが、それをすぐに訂正したことで市場のインフレ期待は薄くなった。ドルの長期金利も低下傾向を示し、それが市場参加者に安心感をもたらした。米国株は堅調に推移し、ダウ平均は最高値レベルで終了した。
ドル金利は低下しているというのに、ドル相場はそれほどもドル安には向かわなかった。ユーロドルは1.19台を深くは突っ込まないものの、かといって大きく反発するわけでもない。ドル円もどちらかといえば重たい足取りが続き、109円台の中盤以降にはかなりのオファーを残してしまっている。
マクロ指標であるADP指数やISMの非製造業も予想を下回ったのだが、これも為替相場には反応薄だった。
こうなってくるとドル売り視線を貫徹するのが困難になってくる。ドルは戻り売りのスタンスで臨みたいものの、ドルの押しがこれだけ浅いとなると、開き直ってレンジ相場であることを想定しての逆張りのほうが楽なのではないかとも思えてくる。
ただニューヨーククローズ後にブラジル中銀が75ベーシスポイントの利上げを決定しており、予想通りであったとはいえ、世界的な利上げモードの一端であることを意識させるというのも事実だ。
今晩はイギリスの金利会合があるが、これはあまり期待を集めていない。むしろイベントとしてはスコットランドの議会選挙のほうが関心を集めている。EU離脱をしたくない人々がスコットランドが独立していないからだと考えているからである。ポンドの動きに注意を払いたい。
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