昨日も為替相場の値幅は小さかった。ドル円もユーロドルも上下で50ポイントも動いていない。それだけ膠着感が増しているということなのだろう。私も方向を決めてスモールででもポジションを作ったりしてみるのだが、値動きが鈍いものだからPCの画面を見ているだけで疲れてしまう。利食いと損切りをセットにしたOCO注文を出しておいても、それがぜんぜんできない。軽く一眠りした後でも、ポジションが変わっていないというのは苦痛ですらある。
前日のサイバーテロの影響もあってか、ドル金利は低下した。10年ゾーンの利回りはひさしぶりのレベルまで落ち込み、1.47%台まで下がってきた。これを好感して米国株も強く始まったのだが、株価指数の代表であるS&P指数の史上最高値が目前に迫っており、高値トライと言えば聞こえはいいが、最大のレジスタンスが控えているわけでもある。
それが越えにくいとなると、急激に利食い売りが先行してしまうというパターンを米国株は繰り返している。米国株の値幅が相対的に小さくなってきているのも、為替相場に動意薄の状況をもたらしている一因なのかもしれない。
今晩はECBの金利会合がある。しかしマーケットの関心をそれほども集めていない。コロナ感染でのPEPP資金の延長くらいは議論されるのだろうが、それはすでに織り込み済み。ECBが現時点でインフレを問題とするようなことも考えにくく、したがって金融政策にドラスティックな変更は見られないと思われている。
強いて注目点をあげると、ドルの長期金利の低下傾向の行方だろう。インフレ懸念と関係なく、ドル金利はいずれ上昇せざるをえない中で、今週に入っての長期金利の低下である。多少のポジション調整もあってしかるべきだが、それを越えてきている感じもする。長期金利が上がり始めるのを確認できたならば、そこはドルの買い場となるのではなかろうか。
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